情報が漏れた新チャイナ・セブンのリスト予測
ニューズウィーク日本版 / 2017年10月24日 11時30分
●趙楽際(中共中央組織部部長)が中共中央紀律検査委員会書記に(中共中央紀律検査委員会候補者名簿の中に入っていたことが推測の根拠)。
○韓正(上海市書記)が政治協商会議主席に。
というリストである。このversionは香港の南華早報(サウスチャイナ・モーニング・ポスト)なども伝えている。
5人のリスト:version2
二つ目のリストは以下の通りだ。同様に党内序列は省く。
●栗(りつ)戦書(中共中央弁公庁主任)が全国人民代表大会委員長に。
○汪洋(国務院副総理)が全国政治協商会議主席に。
●王滬寧(中共中央政策研究室主任)が中央書記処常務書記・イデオロギー担当に。
●趙楽際(中共中央組織部部長)が中共中央紀律検査委員会書記に。
○韓正(上海市書記)が国務院第一副総理に。
汪洋と韓正の役割が異なるため、●ではなく、○で表示した。
しかしversion2の場合、韓正が第20回の党大会の次の年の全人代で国務院総理になってしまう。そんな構図があり得るだろうか?考えにくい。
このversion2は香港の「明報」も伝えている。
胡春華も陳文爾も入っていない
これらの情報によれば、胡春華も陳敏爾も、新チャイナ・セブンに入ってないことになる。陳敏爾が入らないというのは、以前書いたこのコラム欄でも、大陸外の中文メディアの一部が推測していることは述べた。どれが正しいかは、この段階では、やはりまだ分からない。
一方、習近平は早くから「後継者指名(隔代指導者指名)」は行なわないだろうという趣旨の情報が入ってきてはいた。その意味からすれば、胡春華も陳敏爾も後継者になり得る存在で、敢えて今回はチャイナ・セブンに入れないという見方もできなくはないが、やや不自然だ。
胡春華が入らない理由として、彼が共青団派であるからということは考えにくい。
なぜなら候補者として挙がっている汪洋は共青団派だからだ。
おまけに10月18日の開幕式において長時間にわたる党活動報告演説を終えた習近平は、席に戻るなり、胡錦濤(前総書記)とにこやかに挨拶をして互いに長い握手をしていた。中央テレビ局CCTVでは、習近平が胡錦濤に「私を助けてくれて、ありがとう!」と言っていると解説していた。
習近平と胡錦濤は非常に仲がよく、中国建国史上、ここまで友好的に権力交代をした指導者同士はいない。それは胡錦濤が腐敗運動を習近平に託すために自ら全ての職位から退いて、習近平が反腐敗運動を展開しやすいように配慮したからだ。
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