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セクハラ告発#MeTooは日本にも広がるか

ニューズウィーク日本版 / 2017年11月28日 6時35分

社会の中にも性差別的なメッセージがあふれている。PR動画でうなぎを少女に擬人化した鹿児島県志布志市の「うな子」、性的に描写した三重県志摩市の海女キャラクター「碧志摩(あおしま)メグ」、サントリーや宮城県の宣伝動画......女性を性的存在として強調し過ぎだと批判された事例は最近も多い。

#MeToo はほとんどの男性には無関係かもしれない。だが本当にそうか。

14年12月、男性上司からセクハラを受けていたサイゼリヤ勤務の20代女性が自殺する事件があった。娘を失った父親は自律神経が乱れ「事件後、(中略)初出勤の電車の中で失禁してしまった」と週刊誌に苦しみを語っている。「電車が苦手になり、(中略)途中で乗り降りを何回もして休み休み出勤しています」

大切な娘や妻や恋人が被害に遭うことは誰にでも起こり得る。

「男性自身が被害者になることもある。少し広げてパワハラなどでも同じだが、何らかの嫌がらせを受ける可能性があるとき、同じように苦しむ人を放っておいていいのかということだ」と、男性主体で女性への暴力防止に取り組む啓発運動「ホワイトリボンキャンペーン・ジャパン」の共同代表を務める多賀太(関西大学文学部教授)は言う。

多賀によれば、セクハラ問題には3つの段階がある。まず被害者が「嫌だが、どうしたらいいか分からない」と思う段階。次がセクハラという言葉が定義され、「悪いのは自分ではない」と気付く段階。そして、「社会に訴えたら聞き入れてもらえる」段階だ。

#MeToo が始まったアメリカやヨーロッパは、第3段階の入り口に立ったところ。日本はいつになったらその段階にたどり着くのだろうか。

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大橋 希(本誌記者)


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