約3億回再生のMVでトランプ政権に抵抗、20歳の米人気歌手カミラ・カベロ──音楽と政治は無関係ではない
ニューズウィーク日本版 / 2017年12月7日 15時30分
ひるがえって日本の音楽業界の状況を見ると、言論の自由がない独裁国家に近いのではとすら思える。2014年末の紅白歌合戦で、サザンオールスターズのボーカル・桑田佳祐はヒトラーを連想させるチョビ髭をつけて歌い、安倍晋三首相の強引な政治手法を皮肉ったが、その後、謝罪に追い込まれた。日本最大級の野外フェス「フジロックフェスティバル」の2016年の開催時に、安保法制に反対した学生グループ「SEALDs」のメンバーがゲストスピーカーとして参加した際も「音楽に政治を持ち込むな」という批判が殺到した。
ブルースやロック、ポップス、ヒップホップ等の近現代の音楽において、社会問題や政治をテーマとし、表現者が自身の信念を語ることは当たり前のことなのだが、日本の音楽業界から主張が排除され、無難なものが一般化している中で、特に日本の若年層の音楽関係者達やリスナー達にとっては、上記のような「音楽を通じて信念を語ること」は、当たり前ではないのかもしれない。だからこそ、現在20歳のカミラのような、確固とした自身の信念を持ち、勇気をもって発信し続ける海外の若手アーティストに是非、注目していただければ、と願う。
[執筆者]
志葉玲
フリージャーナリスト(環境、人権、戦争と平和)
パレスチナやイラクなどの紛争地取材、脱原発・自然エネルギー取材の他、米軍基地問題や反貧困、TPP問題なども取材、幅広く活動する反骨系ジャーナリスト。「ジャーナリスト志葉玲のたたかう!メルマガ」や、週刊SPA!等の雑誌で記事執筆、BS11等のテレビ局に映像を提供。著書に『たたかう!ジャーナリスト宣言』(社会批評社)、共編著に『原発依存国家』『母親たちの脱被曝革命』(共に扶桑社新書)など。イラク戦争の検証を求めるネットワークの事務局長。オフィシャルウェブサイトはこちら。
※当記事はYahoo!ニュース 個人からの転載です。
志葉玲(フリージャーナリスト)
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