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パレスチナを裏切ったトランプの迷外交

ニューズウィーク日本版 / 2017年12月14日 15時30分

9月にニューヨークで国連総会が開かれた際に会談したときも、トランプはアッバスに、「全身全霊を懸けてディールをまとめる」と請け合った。

パレスチナ自治政府側は、その後も交渉の地ならしが進んでいるものと思っていたという。実際、11月前半には、トランプ政権が中東和平の具体的な青写真作りを始めたと、ニューヨーク・タイムズ紙が報じた。

しかし、トランプがエルサレムをイスラエルの首都として認めると表明したことで、全て中断した。

トランプの深謀遠慮?

複数の米政権で中東和平交渉に携わった経験を持つアーロン・ミラー元中東大使によれば、ひょっとすると、トランプはイスラエルに恩を売ろうとしたのかもしれない。しかし、そのような戦略が功を奏するかは極めて疑わしいと言う。

「もしかすると(アメリカの外交官たちは)いま甘い姿勢で臨めば、後でネタニヤフ首相に厳しい姿勢で臨みやすくなると思っているのかもしれないが......そう思っているとすれば、後付けの希望的観測に思える」

イスラエル側の出方はともかく、パレスチナ側は、少なくとも差し当たりアメリカを再び仲介者として受け入れるとは考えにくい。

「和平への努力を全て台無しにするもの」と、アッバスはトランプの決定を批判した。「アメリカは、過去数十年続けてきた和平仲介者の役割から手を引くと宣言したに等しい」

トランプ政権がパレスチナ側の信頼を取り戻すのは、容易でなさそうだ。

From Foreign Policy Magazine

<本誌2017年12月19日号[最新号]掲載>

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デービッド・ケナー


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