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クリスマスは精神的アヘン――中国グローバル化の限界

ニューズウィーク日本版 / 2017年12月27日 18時0分



●共産主義の基本である「マルクス・レーニン主義」も西洋の精神文化だが、じゃあ、いっそのこと共産主義も捨てた方がいいんじゃないか?

●党大会に参加している共産党幹部も皆、西服(西洋の背広)を着ているけど、あれもやめるべきでは?

●党大会では「国際歌(インターナショナル。日本では"労働歌")」を歌うよね?それも欧米崇拝になるから、やめたら?

●じゃあ、西洋医学は捨てて、中医(漢方医)だけにしなきゃ。車もダメ。人力車だね。もちろん、パソコンもネットも使っちゃダメ!

●いやいや、中国はちゃんと守っているよ!北朝鮮と同じく、googleを使っちゃいけないじゃない?フェイスブックを禁止している国も、中国、北朝鮮、キューバとイラン。ほらね、西洋文化をキチンと禁止しているでしょ?

中国はグローバル経済の旗手になれない

いまアメリカにトランプ大統領が誕生したために、中国はあたかも「中国こそがグローバル経済のトップ・リーダーとなる」と喧伝しているが、中国にはグローバル・スタンダードを世界と共有する基礎がない。

市場経済の旗手となるには、まず「言論の自由」と「民主」そして「透明性」が不可欠だ。しかし習近平政権は、その真逆に向かって動いている。

人民の中国共産党に対する信頼の欠如から、ますます言論弾圧、そして思想の強要と弾圧を強化しているのである。

その中国の本質が見えず、「一帯一路」構想への協力などで、又もや中国の覇権に手を貸そうとする日本の政界、経済界に、「遅くなったクリスマス・プレゼント」として、この警告をプレゼントしたい。

[執筆者]遠藤 誉
1941年中国生まれ。中国革命戦を経験し1953年に日本帰国。東京福祉大学国際交流センター長、筑波大学名誉教授、理学博士。中国社会科学院社会科学研究所客員研究員・教授などを歴任。著書に『習近平vs.トランプ 世界を制するのは誰か』(飛鳥新社)『毛沢東 日本軍と共謀した男』(中文版も)『チャイナ・セブン <紅い皇帝>習近平』『チャイナ・ナイン 中国を動かす9人の男たち』『ネット大国中国 言論をめぐる攻防』など多数。


※当記事はYahoo!ニュース 個人からの転載です。

≪この筆者の記事一覧はこちら≫

遠藤誉(東京福祉大学国際交流センター長)


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