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平昌五輪による南北和解などない

ニューズウィーク日本版 / 2018年1月25日 17時45分

案の定、北朝鮮はソウルオリンピックをボイコットしただけでなく、大会妨害のためにテロ事件を起こした。開催前年の87年、北朝鮮工作員が大韓航空機を爆破させ、乗客乗員115人を殺害したのだ。それでもミュンヘンと同じく、ソウルオリンピックもIOCの勧告に従い、予定どおりに開催された。

これまでのところ、金日成の孫、正恩がやったことといえば、核開発やミサイル発射実験を続けて険悪な雰囲気を作ることで、間近に迫る平昌オリンピックの評判をおとしめてきたくらいだ。この調子なら平昌オリンピックは間違いなく開催され、おそらく南北選手団は統一旗を掲げて一緒に入場するだろう。

だが改めて言おう。過去のオリンピックの歴史から読み取れるものがあるとすれば、平昌オリンピックは北朝鮮と韓国の真の和解などもたらさないし、世界に平和と協調ももたらさないだろうということだ。

そして、36年のベルリン大会が第二次大戦へのヒトラーの歩みを止められなかったのと同様に、今回の平昌オリンピックも金正恩の核開発のスピードを緩めさせることなどできないし、ましてや核開発を断念させることなどほぼ不可能だろう。

<本誌2018年1月30日号[最新号]掲載>

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デービッド・クレー・ラージ(カリフォルニア大学バークレー校シニアフェロー)


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