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中国警察がロボコップ化! 「顔認証グラス」は犯罪者も誤魔化せない

ニューズウィーク日本版 / 2018年2月8日 17時30分

<導入から1週間ですでに7人逮捕するなど効果はてきめんのようだが、ヨーロッパメディアは痛烈な皮肉を飛ばす>

中国の警察が『ロボコップ』さながらの新装備「顔認証グラス」をお披露目した。

顔認証技術を備えたダークサングラスは、前科などの情報が蓄積されたデータベースにリンクされているという。当局は、2月16日から始まる旧正月(春節)の帰郷ラッシュ、人民大移動を控え、ターミナル駅での監視を強化することで犯罪容疑者の発見につなげたい考えだ。

このグラスを掛けると何が起こるのか。英テレグラフによると、使い方を習得した警官はグラスを通して即座に、対象者の名前、人種、性別、住所などの個人情報を確認することができる。

河南省にある鄭州東駅は、中国の鉄道で最大規模のジャンクションだ。毎年、春節で地元に帰る多くの人が利用する。先週、同駅に勤務する警察官らが、このグラスを装着し任務を開始すると、これまでに、誘拐やひき逃げ犯ら7人を逮捕したという。さらに、偽の身分証を使用していたとして26人の身柄を確保した。

Chinese police use real-time facial recognition glasses for public security https://t.co/Rrm6EfQ2SU pic.twitter.com/jMtLsPnxtV— People's Daily,China (@PDChina) 2018年2月7日

(人民日報-Twitter)


人民日報のウェブで公開された写真から、女性警官が掛けているグラスの右レンズに小さなカメラが取り付けられていることが確認できる。このカメラが捉えた画像データは携帯端末に送られ、内臓されたアプリで処理されて、データベース上の情報と照合されるという仕組みだと、地元の警察当局のチャン・シャオレイが中国共産党系の新聞「環球時報」に語っている。アプリはデータベース上のすべての情報にアクセスが許可されており、この情報には対象者の最近のインターネット閲覧履歴まで含まれるという。



思い描かれた未来は良くも悪くも現実に?

英テレグラフによると、顔認証の技術は中国の大学の寮やオフィスへの入退管理、ATMでの現金引出でも使われている。2017年秋に中国のケンタッキーフライドチキンの一部店舗で顔認証決済のサービスが始まったことは記憶に新しい(英インディペンデント)。

ところで、イギリスのテレビドラマ『ブラック・ミラー』をご存知だろうか。近未来を舞台にSFの要素を織り交ぜた人気ドラマで、そのストーリーは、テクノロジーに圧倒される現代社会の闇をブラックユーモア満載で風刺的に描写することが多い。

しかし英テレグラフは、中国で導入された「顔認証グラス」が『ブラック・ミラー』の劇中で描かれることはないと言っている。中国は、ヨーロッパ諸国にとって、にわかには信じられないような方法で国民を監視するために新しい技術を実際に展開しているからだ。中国を「個人のプライバシー保護に対する懸念がほとんど無い国」と揶揄した。

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ニューズウィーク日本版ウェブ編集部

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