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中国、米朝首脳会談は「双暫停」のお蔭――全人代第三報

ニューズウィーク日本版 / 2018年3月12日 15時30分

習近平とトランプ

習近平国家主席は9日、トランプ大統領と電話会談し、金正恩委員長との会談を決断したことを称賛した。CCTVによれば、トランプは「米朝が対話をすべきだという習近平の主張は正しかった。中国の重要な役割に感謝し高く評価する」と述べ、「引き続き中国側との意思疎通と協調を緊密なものにしたい」と続けたとのこと。CCTVは全人代の会期中だというのに、トランプのこの言葉を何度も何度も繰り返し報道した。

ということは、トランプは、中国が早くから「双暫停」を主張していたことを認識していたということになる。そして中国はまた、自国が主張してきた「双暫停」のシナリオに沿って朝鮮半島が動き、米朝が動いたと自負していることになろう。

トランプはなぜ米朝首脳会談を即断したのか

時事通信社は3月11日、<トランプ氏即断、側近も驚き=安倍首相は「蚊帳の外」―米紙>というワシントンからのニュースを報道した。それによれば、トランプはホワイトハウスの側近にも言わずに、個人の意思で即断したことになる。

実は筆者は、『習近平vs.トランプ 世界を制するのは誰か』(2017年7月出版)の中で、トランプが金正恩と電撃的に会う計算をしている心理を詳述した。

というのも、外交に疎いトランプに目を付けたキッシンジャー元米国務長官は、早くからトランプに外交の手ほどきをしていたが、このときトランプはきっと、キッシンジャーがかつて北京を電撃訪問して毛沢東(や周恩来)に会い、結果、ノーベル平和賞を受賞したことを模範にしたのではないかと推理したのである。そもそもトランプには大統領にならなくても十分な富と名声があり、大統領になるとすれば、あとは「栄誉」が欲しかっただけかと思われたからだ。

キッシンジャーは当時のニクソン大統領以外には、共和党の政権内部の者にも何も言わずに北京を訪問して世界を驚かせた。それ故「忍者外交」と称せられている。きっとトランプは、キッシンジャーのこの真似をしたかったのではないだろうか。ただ、何でもツイートしてしまうトランプは、大統領選挙期間中から、何度も「何ならキム・ジョンウンとハンバーガーでも食べながらお喋りをしてもいい」と言ってしまってはいる。



しかし今般こそは、本当にノーベル平和賞を取りに行こうとしてキシンジャーの「忍者」の部分を真似、側近にさえ言わずに即断したのかもしれない。

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