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イラン核合意離脱でトランプが狙う「体制転換」シナリオ

ニューズウィーク日本版 / 2018年5月9日 19時49分

むしろトランプは、単純で洗練度に欠けて一面的で、軍事作戦に重きを置きすぎたジョージ・W・ブッシュ大統領の1期目の外交政策へと、我々を引き戻している。

ボルトンを国家安全保障問題担当補佐官に、ポンペイオを国務長官に任命し、さらにはテロ容疑者への拷問を指揮したとされるジーナ・ハスペルを中央情報局(CIA)のトップに指名した一連の動きは、ブッシュ政権時代の外交政策への後戻りだ。それがどれほど「効果的」だったかは、ご存じの通りだ。

チャーチルは間違っていた

かつてドイツ帝国の首相を務め、「鉄血宰相」の異名を取ったオットー・フォン・ビスマルクは、「自らの失敗から学ぶことも悪くないが、他人の失敗から学ぶ方が良い」との名言を残した。

だがイランとの核合意問題で、アメリカは、自国と他国、どちらの失敗からも学ぶ能力がないことを露呈した。

また、ウインストン・チャーチルの言葉として伝えられている「アメリカは常に正しい行動を取る」という言葉は、今や訂正が必要だ。

トランプ政権下のアメリカは、常に間違った行動を取っているようだ。しかもこれらの決断は、どう見てもより優れた選択肢を先に検討しながら、それを退けた上でのものなのだ。

(翻訳:ガリレオ)

From Foreign Policy Magazine

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スティーブン・ウォルト(ハーバード大学ケネディ行政大学院教授=国際関係論)


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