イランはアメリカを二度と信用しない
ニューズウィーク日本版 / 2018年5月18日 17時45分
いら立ち、怒り、裏切られたという思い。14年に会い、この数週間に電話で話した彼らの口ぶりからは、そんな気持ちが痛いほど伝わってきた。そして彼らは異口同音に「自分はバカだった」と漏らした。
「イランは核合意を守ってきたが、アメリカは約束を破った。それだけでなく、イランについて嘘を広めようとしている」。ハサンは、イランが秘密裏に核兵器の開発を続けているとのアメリカとイスラエルの主張に怒りを表した。「アメリカはこの合意を守ると信じた私たちがバカだった。でも米国民や国際社会も、また(アメリカとイスラエルの)同じ嘘にだまされるほどバカなのか」
トランプのアメリカが今後どう出ようと、イランは欧州諸国との協調を維持すべきだ。筆者が接触してきた元革命防衛隊員たちは全員、本気でそう願っている。「しかしアメリカとの関係では、私たちは二度とバカなまねはしない」。そう言ったのは元幹部のメフディだ。
「この国の頂点に立つ老師たちは、もともと一度としてアメリカを信用したことがない。彼らは今頃、私たちを物笑いの種にしているだろうな」
<本誌2018年5月22日号掲載>
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ナルゲス・バジョグリ(人類学者)
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