カナダのトルドー首相、西側代表としてトランプを攻撃 返ってきたのは八つ当たり
ニューズウィーク日本版 / 2018年6月11日 17時30分
<トランプは仕返しにトルドーが主催したG7の首脳宣言の承認をやめたとツイート、政権幹部は北朝鮮との首脳会談が失敗したらトルドーのせいだとまで>
マクロン仏大統領、メルケル独首相など最近トランプを会ったどの西側首脳より、トランプを恐れない男がカナダのジャスティン・トルドー首相だった。小国の若い指導者ながら原理原則の人であり、G7が始まるずっと前から、安全保障上の理由からカナダに輸入制限をかけるというアメリカの論理は共に戦ってきたカナダに対する侮辱で容認できない、と言ってきた。
ところがドナルド・トランプ政権の経済顧問であるラリー・クドロー国家経済会議院長は6月10日の朝、カナダのジャスティン・トルドー首相に対し、来るべき「米朝首脳会談が失敗したらトルドーのせいだ」と言い放った。トルドーは、G7でトランプを「裏切り、後ろから刺した裏切り者だ」というのだ。
トランプ政権とトルドーとの仲が決定的にこじれたのは、前日の9日に閉幕した先進7カ国(G7)首脳会議(サミット)の首脳宣言を、既に大統領専用機でシンガポールに向かっていたトランプが、やっぱり承認しないとツイートしたからだ。
さらに、もしアメリカに対する「不公平な」貿易慣行が是正されなければ、6カ国とのあらゆる貿易を停止すると脅迫し、各国首脳の激しい反発を招いた。
トランプが激怒したトルドーの記者会見
サミットを締めくくる記者会見でトルドーは、鉄鋼・アルミ製品などへの「アメリカの関税押しつけは侮辱的だ」と批判。「アメリカがカナダに課したのと同等の報復関税を7月1日に必ず発動する」と語った。
機上でこれを聞いたトランプは、首脳宣言の承認を取り消した。「ジャスティンが記者会見で放った虚言や、カナダがアメリカの農家や労働者や企業に莫大な関税を課しているという事実に基づき、米政府代表に首脳宣言を承認しないよう指示した。アメリカ市場にあふれる自動車の関税措置を検討しなければならない!」、とツイートした。トルドーは「控え目で大人しい」が「不誠実で弱虫」だと名指しで批判した。
翌朝、クドローはトランプの言い分を繰り返した。米CNNの番組で、トランプが首脳宣言の承認を撤回するほど激怒した理由を司会者に問われると、彼はこう言った。「トルドーは記者会見を開き、アメリカは無礼だ、カナダは対抗するしかない、関税を課すアメリカ側に非がある、などと発言した」「彼はG7を分断させる。言わば、われわれは後ろから刺されたようなものだ。G7全体にひどい仕打ちを与え、参加国を裏切った」、とクドローは言った。
-
-
- 1
- 2
-
この記事に関連するニュース
-
岩田明子 さくらリポート トランプ氏再任なら懸念される「北朝鮮外交」拉致問題解決を迫ることができるのか 暗殺未遂事件、自民総裁選にも影響
zakzak by夕刊フジ / 2024年7月17日 6時30分
-
【一問一答】新ロシア大使を直撃!
日テレNEWS NNN / 2024年7月13日 13時1分
-
バイデン氏、今度は身内と宿敵の名前を混同 再選意欲に変化なし
ロイター / 2024年7月12日 13時28分
-
米共和党が政策綱領発表、中国との恒常的正常貿易関係の撤回など表明(米国、中国)
ジェトロ・ビジネス短信 / 2024年7月9日 11時0分
-
日本車メーカーの「ドル箱市場」を中国EVが侵食…「世界一の自動車大国」の座を奪われた日本がやるべきこと
プレジデントオンライン / 2024年7月4日 7時15分
ランキング
-
1トランプ氏登場で初日から最高潮の共和党大会 「顔が疲れている」と心配の声も
産経ニュース / 2024年7月16日 21時33分
-
2タイ・バンコクの高級ホテルで6人死亡 毒物を摂取との情報も
TBS NEWS DIG Powered by JNN / 2024年7月16日 23時32分
-
3情報BOX:関税引き上げや不法移民送還、トランプ氏「2期目」の公約
ロイター / 2024年7月16日 18時5分
-
4オマーンでシーア派モスク襲撃6人死亡、「イスラム国」が犯行声明
ロイター / 2024年7月17日 9時45分
-
5スーダンの内戦で1千万人が避難 半数は子ども、停戦見えず
共同通信 / 2024年7月16日 22時55分
複数ページをまたぐ記事です
記事の最終ページでミッション達成してください
![](/pc/img/mission/mission_close_icon.png)