「トランプは合理的、バカと切り捨てられない」『国体論』著者・白井聡インタビュー
ニューズウィーク日本版 / 2018年6月26日 16時40分
だから、無条件に従属のための従属をしている。そこには以前のような葛藤がない。葛藤のない人間は成熟せず、幼児化する。
冷戦以降、アメリカが日本を保護する理由がなくなる一方、東アジアは激動の時代に入った。中国の国力の大幅な増進が第一のファクターだが、それに加えて朝鮮戦争の終結が視野に入ってきた。東アジアにおける冷戦構造の残滓の一大要因がなくなる。これが実現すれば、在韓米軍は不要となり、今度は在日米軍の問題に議論は移行するだろう。一方で中国共産党政権は、台湾を版図に治めないと国家が完成しないという神話を持ち、それを長年国民にプロパガンダしてきた。台湾問題は朝鮮半島問題よりも難しい課題だ。
<インタビュー後編はこちら>
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深田政彦(本誌記者)
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