1. トップ
  2. 新着ニュース
  3. 国際
  4. 国際総合

高等教育無償化の定着には、成功事例のモデルが必要 - 冷泉彰彦 プリンストン発 日本/アメリカ 新時代

ニューズウィーク日本版 / 2018年7月3日 17時45分

また、今回の制度では大学だけでなく専修学校なども対象になるということで、実際には「無名の大学」よりは、観光業や、事務仕事、専門技術などの「職業訓練」になるような専修学校がチョイスされる可能性もあります。その場合も、仮に経済的な補助が投入されるのであれば、それに見合う質と成果を目指して行くことが必要です。



一方で、地方の場合はまだ公立中高での「補習」などがきちんと行われ、塾へ行かなくても平均以上の学力に到達することができるケースが多くあります。こうした層には、大学の無償化という経済的援助は大変に効果的であり、とにかくそこで埋もれた才能を伸ばしていくことで、制度の成果を挙げて行くことも可能だろうと考えられます。

その結果として、少し先にはなるのでしょうが、高等教育の無償化が結果的に地方で大きな効果をうむようになり、地方経済の再生にひと役買うことになれば素晴らしいと思います。また、そうなれば、「塾代が払えなくてはエリートになれない」という首都圏など大都市圏の「教育政策の歪み」があらためて問題視されるのではないかと思います。

いずれにしても、8000億円という国費、つまり2019年9月に消費税の2%引き上げを行った場合の税収増見合いを4兆円とすれば、その20%が投入されるわけです。バラマキに終わるのではなく、しっかりと成果を産むように知恵を絞っていかなくてはなりません。

【お知らせ】ニューズウィーク日本版メルマガのご登録を!気になる北朝鮮問題の動向から英国ロイヤルファミリーの話題まで、世界の動きをウイークデーの朝にお届けします。ご登録(無料)はこちらから=>>




この記事に関連するニュース

トピックスRSS

ランキング

記事ミッション中・・・

10秒滞在

記事にリアクションする

記事ミッション中・・・

10秒滞在

記事にリアクションする

デイリー: 参加する
ウィークリー: 参加する
マンスリー: 参加する
10秒滞在

記事にリアクションする

次の記事を探す

エラーが発生しました

ページを再読み込みして
ください