中国政局の「怪」は王滬寧の行き過ぎた習近平礼賛にあった
ニューズウィーク日本版 / 2018年8月6日 13時0分
(3)習近平の7月のアフリカ外遊に王滬寧が随行していなかったので「習近平は一人ぼっち?」という分析もあるようだが、昨年の第19回党大会で、王滬寧がチャイナ・セブン入りして役割が変わったのを知らないわけではあるまい。もし王滬寧が随行したら、それこそ奇々怪々だ。中国の政治構造を深く理解せずに、日本人が喜ぶ方向に情報操作をするのは、日本国民の利益に反するのではないだろうか。
習近平はアフリカ外遊で「BRICSプラス」を形成し、31億人の共同体でアメリカに対抗し、米中貿易で有利な立場に立とうとしている(これに関しては別途、論じる)。権力闘争をしている場合ではない。彼の敵は「人民」であることを見落とさないようにしたいものだ。
[執筆者]遠藤 誉
1941年中国生まれ。中国革命戦を経験し1953年に日本帰国。東京福祉大学国際交流センター長、筑波大学名誉教授、理学博士。中国社会科学院社会科学研究所客員研究員・教授などを歴任。著書に『習近平vs.トランプ 世界を制するのは誰か』(飛鳥新社)『毛沢東 日本軍と共謀した男』(中文版も)『チャイナ・セブン <紅い皇帝>習近平』『チャイナ・ナイン 中国を動かす9人の男たち』『ネット大国中国 言論をめぐる攻防』など多数。
※当記事はYahoo!ニュース 個人からの転載です。
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遠藤誉(東京福祉大学国際交流センター長)
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