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日本経済を「復活」させた、リーマン・ショックの衝撃

ニューズウィーク日本版 / 2018年10月2日 17時0分

現在の日本はずっと健全な状態にある。国内を主な市場とする非製造業は60年間で最高の利益率を記録。人手不足は自動化と技術革新への投資を促し、アジア人旅行者のビザ緩和はインバウンド観光を強力に後押しした。

ただし、当局者の間には以前の政策に戻ろうとする危険な兆候がある。日銀の守旧派とメディアや学界の同調者は、量的緩和の終了を働き掛けている。財務省の官僚たちは安倍首相を脅し、不要な消費税増税を実施させようとしているかのようにみえる。

過去のこうした動きは最悪のタイミングで行われた。日銀による最後の金融引き締めは、世界金融危機の始まりと同時だった。97年の消費税増税は、アジア通貨危機と日本国内の不良債権問題が顕在化するなかで実施された。

日本やその他の国々の当局者を納得させるために、再び大きな景気後退が必要......とはならないことを願う。リーマン・ショックの影響がまだ色濃く残る世界では、緊縮財政と金融引き締めではなく、経済成長こそが唯一の進むべき道だ。

<本誌2018年9月25日号「リーマンショック10年」特集より転載>


ピーター・タスカ(経済評論家)


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