オバマ、ソロス、CNNなどトランプ「政敵」に爆弾相次ぐ「暴力そそのかす大統領」の大罪
ニューズウィーク日本版 / 2018年10月25日 16時0分
<民主党の有力議員やCNNに爆発物が送りつけられた背景には、社会の分断と憎悪をあおるトランプ政治がある>
米民主党の大物政治家やCNNの支局に爆弾の小包が次々に送られた事件を受けて、被害者の1人であるヒラリー・クリントン元国務長官の側近は、「ドナルド・トランプのツイッターをフォローしている」人物が送った可能性が高い、と語った。
シークレットサービスは24日朝、本誌に対し、ニューヨーク市近郊のクリントンの私邸と首都ワシントンのバラク・オバマ前大統領の私邸に送られた爆発物を回収したと語った。この日の朝にはCNNニューヨーク支局が入居しているビルにも、ジョン・ブレナン元CIA長官気付の不審な小包が届き、建物内にいた人々は退避させられた。報道によれば小包の中身はパイプ式の爆弾だった。民主党の有力議員デビー・ワッサーマンシュルツの事務所があるフロリダ州南部のビルにも、エリック・ホルダー元司法長官宛ての不審な小包が届き、人々は避難させられた。
さらに24日午後にはメリーランド州の連邦議会宛て郵便物中継施設で、民主党の有力下院議員マクシーン・ウォーターズ宛ての小包が回収された。
問われるトランプの責任
22日には民主党に多額の献金をしている大物投資家ジョージ・ソロスの自宅宛ての小包から爆発物が見つかり、捜査当局が処理したばかり。
一連の事件では負傷者は出ていない。
「これまでに犯人が標的にした人々の顔ぶれを見ると、ドナルド・トランプのツイッターをフォローしている可能性が高い」と、クリントンの元顧問フィリップ・レインズは24日ニュース専門局MSNBCに語った。「幸いにも、元大統領の家族はシークレットサービスが厳重な規則に従って警護している」
ただし24時間体制の厳重な警護を受けているのは大統領経験者だけで、議員や報道関係者はより危険だと、レインズは指摘した。
「今のところ負傷者は出ていないが、今後もそれで済む保証はない。今のアメリカ社会にこうした事件の背景になる分断の空気を生んだトランプの責任は重い」
CNN攻撃の動画を拡散
2016年の大統領選での遊説から、11月の中間選挙を控えていま全米各地で行っている政治集会まで、トランプのツイートや発言には、社会の分断を煽るレトリックが目立ち、ときには暴力をそそのかすような発言さえあると、反トランプ派は指摘する。今回の一連の事件の標的になった人はいずれも、過去にトランプが名指しで批判した人物ばかりだ。
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