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ユダヤ教礼拝所の銃乱射犯も使っていた極右SNS「Gab」は消されるべきか

ニューズウィーク日本版 / 2018年10月30日 15時0分

<シナゴーグ乱射事件の容疑者も利用していた「極右ソーシャルメディア」がツイッターやペイパルなどによるアカウント停止処分で存亡の危機>

過激な投稿などでツイッターからアカウントを停止された極右活動家などが使うソーシャルメディア「Gab.com(ギャブ)」は、Gabのアカウントを相次いで停止するシリコンバレーのテック大手を批判し、ドナルド・トランプ米大統領に助けを求めた。

10月27日にペンシルベニア州ピッツバーグのシナゴーグ(ユダヤ教礼拝所)「ツリー・オブ・ライフ」で銃乱射事件が発生。11人の死者を出したこの事件のロバート・バウアーズ容疑者(46)が反ユダヤ主義的な書き込みを数多く投稿していたのがこのギャブだ。

バウアーズ容疑者は@onedingoのアカウントでアメリカに「はびこる」ユダヤ人に強い不満を示し、トランプを支持する陰謀論者のグループである#QAnon(Qアノン)に「どぶさらい」をしてくれるよう呼びかけていた。

週末にかけてオンライン決済企業のペイパルやストライプなどが相次いでギャブのアカウントを停止したことを受け、ギャブはツイッターを通じて「大手ネット企業のあからさまな共謀」を阻止するよう、名指しでトランプに訴えた。

言論の自由を守るのが使命

ギャブは既に、ヘイトスピーチを理由にアップルのiOSストアとグーグル・プレイから削除されている。他の大手テック各社も、8月に陰謀論者アレックス・ジョーンズの極右サイト「インフォウォーズ」のアカウントを停止した時と同様、ギャブのアカウントを停止した。

10月27日、ギャブはツイッターで、こうした逆境の中でも「我々のサイトには1日100万件のアクセスがある」と主張した。

ギャブは自らの使命を「言論の自由と個人の自由、オンライン情報の自由な流れ」を守ることだとしている。シナゴールの乱射事件の1時間ほど前には、ユダヤ人移民の受け入れ団体を脅す内容のバウアーズ容疑者のコメントが投稿されていた。

バウアーズ容疑者は「彼らは我々を殺害する侵略者たちを喜んで連れてきている。仲間が殺されていくのを、ただ黙って見ていることはできない。お前らの考え方なんてくそくらえだ。俺がやってやる」という内容だったという。

同容疑者はほかにもさまざまなメッセージを投稿していた(事件後、容疑者のギャブのアカウントは削除された)。「ユダヤ人をめぐる大きな問題」を非難し、多様性とは白人を撲滅する取り組みに過ぎないと主張し、聖書の一節を引用してユダヤ人を「悪魔の子」と断じるなどの内容だ。

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