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ユーロ圏を脅かすイタリアの暴走

ニューズウィーク日本版 / 2018年11月2日 15時40分

イタリア発ユーロ危機が起きるとすれば、その原因は財政規律の欠如ではなく、成長が欠如しているせいだ。イタリア経済は成長していない。そして成長を生み出す方法が分からずにいる。確かにこれは、現在の形のユーロ圏の存続の危機だ。

だが、ユーロ圏の崩壊が始まっているかどうか判断するのは時期尚早だ。イタリアが離脱すれば、ユーロ圏が壊滅的な打撃を受けるのは間違いないが、その可能性は最小限と言っていい。五つ星運動はアンチEU政党ではない。ただ、ユーロ圏は組織や優先課題といった基礎を見直す必要性に直面している。

――イタリアとユーロ圏は別として、新たな世界金融危機が起きる可能性はあるのか。

景気後退のリスクと危機のリスクを区別して考える必要がある。景気後退はリスクというより、これから1年半〜2年後には不可避なものだ。米経済はこの先、現在ほどの好調を長く維持することはできないだろう。

一方、世界的な経済危機を引き起こすリスクという意味では、イタリアはかなり高いランクに位置付けられると思う。新興国も世界的な危機の引き金となる可能性は高い。中国の状況には誰もが毎日目を配るべきだ。中国をはじめとする新興国は、現在世界の成長の牽引役となっている。それにこれらの国はもう「新興」ではない。世界の成長の65%以上を占めるのだから。

従って世界経済の先行きを心配するなら、注目するべき場所は一にも二にも中国だ。

From Foreign Policy Magazine

<本誌2018年11月6日号掲載>


マイケル・ハーシュ(フォーリン・ポリシー誌記者)


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