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起業家けんすうが10年以上勧めてきた1冊の本

ニューズウィーク日本版 / 2018年11月26日 16時0分

5、6回チャレンジし続ければ大抵が当たる

多くの人が、働くこと=お金を稼ぐことであり、それは決して好きなことでも楽でもないと考えている。どうしたら好きなことをしながら、苦しむことなくお金を稼げるようになるのだろうか。

起業して成功する確率って日本でもアメリカでも15%程度と言われているので、これはもう運だけだと思います。新規事業が5回か6回に1回ぐらいしか当たらないということは、5、6回チャレンジしてようやく当たるかどうか。周りの起業家を見ていてそれは実感します。逆に失敗する起業家って、1回のチャレンジでうまくいかないとそこでやめてしまうんです。でも人生って紙に書かれた迷路と同じで、一筆書きのように一気にゴールに辿り着くのは至難の業です。迷路が行き止まりだと気づいたら、戻って違う道を探せばいいのと同じで、人生もぶつかったときに失敗だと思ってチャレンジをやめたら、永遠にゴールできない。戻ることには実害はないのに、行き止まりを障害だと思って迷路をやめてしまう人が多いので、それはもったいないなと思うんです。



とはいえ1度の失敗で心が折れてしまい、再チャレンジできなくなってしまう人も多い。

失敗は僕も嫌ですけど、実害のある失敗をしたことがある人ってほとんどいないと思うんです。それに「あいつはあんな失敗をした」とか、他人の失敗を何年も覚えてる人っていませんよね? だから失敗しないことよりも、チャレンジをやめて日々快適に楽しく過ごせないことのほうがリスクが大きいと思います。誰もが体の健康を気にするけど、心って一度病んだだけで何年もダメージを食らうので、体の健康以上にリスクが高いんです。だから毎日嫌な会社に行って嫌な仕事をして心を病むぐらいなら、少しぐらいの不安があっても嫌なら辞めてもいいと思うし。

「会社を辞めても何をしていいか分からない」という人も多いが、けんすうさんなら彼らに、どんな言葉をかけるのだろうか。

よく僕が例に出す「数えるブログ」っていうのがかつてあったんですけど、これは「あの自販機のジュースの本数は42本です」とか、あらゆるものを数えるだけのブログで。何のリソースもなくてもできるのに、誰もやってこなかったことを形にしたので、当時ちょっとだけ人気があったんですよ。アイデアってこういう、すぐ近くにあるけれどそれまで見えていなかったものにいかに気づけるかだと思うんです。もし今僕がブラック企業に勤めていたら、上司との会話を録音しまくって公開して、それで稼ぐと思いますし(笑)。あとは今40代、50代であったとしても、20代より劣っているということは決してありません。集中力は40代、言語能力は50代がピークといったように、年齢によってピークの能力がある。そのときの自分に合わせた形で新しいことをやればいい。知恵や知識も確かに大切だけど、実際に動くことができればうまくいく。でもほとんどの人が分かっていても動かない。だから「『動く』ってハードルさえ乗り越えれば、あとはチョロい」って言いたいですね。

「お金と幸せは直結しないし、やりがいのない仕事はAIが解決するから、これからは好きなことを仕事にしないときつい時代になる」と、けんすうさんは未来予想をする。

その「好きなことを仕事にする」ためのツールとしても、『考具』はきっと役に立ってくれることだろう。


『考具』
 加藤昌治 著
 CCCメディアハウス



今井順梨


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