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Hua-wei(ホァーウェイ)を追い詰めると、日米にとって恐るべき事態が

ニューズウィーク日本版 / 2018年12月7日 18時30分

となれば、世界が中国のものとなる日が近くなる。

中国はアメリカを凌駕するだけでなく、日本など必要ではなくなるだろう。

日米にとっての悪夢が待っている。

「背後に中国人民解放軍が」という接頭語の愚かさ

日本のメディアがホァーウェイに付ける、もう一つの接頭語に「背後に中国人民解放軍が」というのがある。

「軍が背景にある」というようなことを言うと、さも、もの凄いことを言ったようなニュアンスを持たせるという、奇妙なムードが日本のメディア全体に漂っている。

これが「愚か」だけで済む話でなく、いかに「危険」であるかも、日本人は認識しなければならない。

『「中国製造2025」の衝撃 習近平はいま何を目論んでいるのか』(本年12月22日発売)で詳述したが、ホァーウェイの創業者、任正非氏は、たしかに何百万人もいた中国人民解放軍の兵士の一人だったが、1985年の中国人民解放軍100万人削減によって「解雇された兵士の一人」に過ぎない。無職になってしまった100万人の元兵士たちは、主として自動車産業などに就いた人が多かったが、任正非は通信機器に興味を持った。なぜなら当時の中国で、固定電話があるという家は、ほんの少数でしかなかったからだ。

会社を興すに当たって、数人の解雇された仲間と日本円で5万円ずつほど出し合って、30万円弱の資金で会社を立ち上げた。

日本では、これを以て、「背後に軍が」などと針小棒大に形容し、ほとんど事実無根のストーリーを創りあげて、「接頭語」として必ず付けるようになっているほどだ。

それによりホァーウェイの販売ルートを締め付ければ、ホァーウェイは、これまで拒絶していた中国政府の要望を受け入れて、ハイシリコンの半導体を、中国の市場だけに開放するという「窮鼠、猫を噛む」手段に出るところに追い込まれるだろう。

結果、中国がアメリカを凌駕し、世界制覇の夢を達成することになるのである。



賢明な対中強硬策を

トランプ政権が対中強硬策に出ていることは歓迎する。なぜなら言論弾圧をしているような一党支配国家が世界を制覇するようなことだけは避けたいからだ。

しかし、アメリカはイラク攻撃のときもそうだったが、自国の都合で「存在しない事実」をでっち上げ、自国の戦略の正当性を主張するという悪い側面も持っている。

中国の「一帯一路」戦略への「協力を強化する」と習近平に誓った安倍首相よりはまだましだが、この逆襲を考慮に入れない今のアメリカのホァーウェイ攻撃が賢明なのか否か、慎重に考える必要がある。

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