中国の世界制覇を阻止するために日本がやるべきこと――Huawei事件を巡って
ニューズウィーク日本版 / 2018年12月14日 15時0分
上述のチャイナ・ウォッチャーの記述にしても、真実ではない推測により中国を批難すれば、中国の若者たちまでが中国政府を応援するようになる。逆効果だ。
「余計なもの」も、公開して突き付けなければ、中国は結束を固めて、現状を強行突破していくだろう。
動かぬ証拠をキチッと突き付けて、いかなる言い逃れもできないようにしなければならない。企業名さえ明言できないようなやり方では、中国をますます思いあがらせて、習近平は「中国製造2025」をやり遂げてしまうにちがいない。言論弾圧をする中国に世界制覇をさせてはならない。玉虫色でなく、そして日中友好などと中途半端なことを言わずに、日本国民を守るために証拠を突き付けて、中国の通信機器を全て日本から駆逐する以外にない。
追記:昨夜、某報道番組で某アメリカ人が「ファーウェイの通信機器を使っていたら、夜中に突如、大量のデーターを勝手に送信し始めた」という趣旨の話をしていたという報道をしていた(パソコンを打ちながら聞いていたので、一言一句正確なわけではない)。スパイ映画ではあるまいし、「夜中」という前提を持ち込むなど、いかにも素人的発想の証言だ。スパイ行動をやるなら通信量の多い時間帯に紛れ込ませるだろうし、データを送信すれば、その痕跡がパソコン上に残ることは素人でも分かる話だ。この証言が本当ならそのログを証拠として提出すべきだ。もっともデータはプロトコルを通して送信され、Huaweiの手元に直接はワープしないが。
[執筆者]遠藤 誉
1941年中国生まれ。中国革命戦を経験し1953年に日本帰国。東京福祉大学国際交流センター長、筑波大学名誉教授、理学博士。中国社会科学院社会学研究所客員研究員・教授などを歴任。著書に『「中国製造2025」の衝撃 習近平はいま何を目論んでいるのか』(2018年12月22日出版)、『習近平vs.トランプ 世界を制するのは誰か』、『毛沢東 日本軍と共謀した男』、『卡子(チャーズ) 中国建国の残火』(中英文版も)、『チャイナ・セブン <紅い皇帝>習近平』、『ネット大国中国 言論をめぐる攻防』、『チャイナ・ジャッジ 毛沢東になれなかった男』、『中国動漫新人類 日本のアニメと漫画が中国を動かす』など多数。
※当記事はYahoo!ニュース 個人からの転載です。
≪この筆者の記事一覧はこちら≫
遠藤誉(東京福祉大学国際交流センター長)
この記事に関連するニュース
-
アングル:中国研究にも検閲強化、骨董市から消えた史料 かつては「宝の山」
ロイター / 2024年9月22日 8時4分
-
ナイジェリアのティヌブ大統領が訪中、中国と包括連携へ(ナイジェリア、中国)
ジェトロ・ビジネス短信 / 2024年9月19日 0時35分
-
米政府、ベトナムの海底ケーブル敷設で中国企業の排除要請
ロイター / 2024年9月18日 18時15分
-
中国、ペルーを南米戦略拠点に―リマ郊外の新港運営権を獲得、「一帯一路」構想の一環
Record China / 2024年9月9日 9時30分
-
重病説、求心力低下説、失脚説......「ポスト習近平」の中国に備えるべき時が来た
ニューズウィーク日本版 / 2024年8月28日 10時55分
ランキング
-
1中国大使「深圳の事件、冷静に対処する」 都内で中国建国75年レセプション
産経ニュース / 2024年9月26日 19時23分
-
2中国、海自艦の台湾海峡通過めぐり「政治的な意図を警戒」 中国外務省報道官が表明
産経ニュース / 2024年9月26日 17時36分
-
3香港ネットメディア前編集長に禁錮1年9月…報道を「扇動」と判断、香港返還後で初
読売新聞 / 2024年9月26日 23時45分
-
4ウクライナに1兆円超支援 米、来月独で首脳会合主催
共同通信 / 2024年9月26日 22時47分
-
5ノルウェー、39歳男を国際手配 ヒズボラの爆発ポケベル販売巡り
ロイター / 2024年9月27日 2時51分
記事ミッション中・・・
記事にリアクションする
記事ミッション中・・・
記事にリアクションする
エラーが発生しました
ページを再読み込みして
ください