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「ハウス・オブ・カード」の米俳優ケビン・スペイシー、7日に出廷へ──セクハラ、性的暴行疑惑とアーティストの関係とは

ニューズウィーク日本版 / 2019年1月7日 18時0分

米映画監督ウッディ・アレンも、スペイシーとやや似た状況にいる。

養女ディランにアレンが性的に不適切な行為を行ったという元妻ミア・ファローの主張(1990年代)が、ワインスタイン疑惑の発覚(2017年秋)で再注目されることになった。

2017年12月、ディランは米紙に「#MeToo革命はなぜウディ・アレンを見逃すのか」と題する署名記事を書いた。著名俳優が続々とディランへの支持を表明した。アレンの映画「マジック・イン・ムーンライト」(2014年)に出演したコリン・ファースも今後、アレンの映画には出ないと宣言する始末となった。



昨年12月には元モデルのクリスチーナ・エンゲルハルトが、1970年代、自分が17歳未満の時にアレンと性的関係を持っていたと雑誌のインタビューの中で述べた。ニューヨーク州で性的合意の年齢は17歳である。

エンゲルハルトはアレンに対し「何の不満も持っていない」と述べており、アレンを非難するために過去を暴露したわけではないようだ。しかし、ディランの例も加味すると、「少女に違法に性的関係を迫る男性」というイメージが強化された格好だ。

アレンの最新作は「ア・レイニー・デー・イン・ニューヨーク」で、2017年秋にすでに撮影は終了しているが、公開時期は未定のままだ。

アレンも、スペイシーも映画界でのキャリアが事実上、停止してまった。

どちらの場合も、裁判で有罪となったわけではない。しかし、社会での評判が大きな要素になる職業のため、関係者が手を引いたような状況だ。また、「スペイシーの過去の作品を見ていると、現在の疑惑のことが気になって集中できない」という視聴者もいて、難しい。

両者の活動が停止してしまうことについては、賛否両論があるだろうと思う。

スペイシーに関しては、筆者はまず事実を知りたいという思いがする。

ただし、同意があったのかなかったのかについては意見が分かれそうだ。何年もあるいは何十年も前の出来事であれば、どちらの場合でも証明はさらに困難になる。

アレンの疑惑の1つは養女に対する性的暴力だったが、実の娘との性行為がのちに判明したアーティストがいる。

ロンドンの地下鉄「オックスフォード・サーカス駅」から歩いて数分で、BBCの放送センターのビルに行き着く。左側にあるのは旧・放送センターの建物で、外壁にはイギリスの彫刻家・書体デザイナー・版画家として知られるエリック・ギル(1882-1940年)が製作した作品が飾られている。

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