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「ハウス・オブ・カード」の米俳優ケビン・スペイシー、7日に出廷へ──セクハラ、性的暴行疑惑とアーティストの関係とは

ニューズウィーク日本版 / 2019年1月7日 18時0分

シェイクスピアの「テンペスト」に触発された作品で、「プロスぺローとエアリアル」(1932年)という題がつく。

実の娘や犬と性行為

1989年に出たギルの伝記本の中で、ギル自身が書いた日記の内容が紹介されており、それによると、ギルは姉妹、実の娘二人や犬と性行為を行っていた。出版後、この彫刻は「取り去るべきだ」とする声が一部で上がった。

筆者はこの事実をBBCのある番組を見ていた時に知った。衝撃を受けたし、どこかの美術館で公開されているのであればともかく、公共放送としてのBBCの建物の外壁に置かれていることに納得がいかなかった。


ギルの「プロスぺローとエアリアル」(BBCのアーカイブサイトより) 



BBCは、ギルの作品を外壁から取り外す予定はないようだ。イギリス各地の教会や美術館に置かれているギルの作品を撤去するべきという声も、今のところ静まっている。自伝で暴露された衝撃的な事実があっても、作品は作品として評価し、そのままにしておくという方針が採用されたことになる。

事実が発覚した時にジルはすでに亡くなっていた一方で、ワインスタイン、スペイシー、アレンの場合は疑惑が現在進行中だ。それでも、ワインスタイン事件をきっかけに始まった、性的被害にあった女性や男性たちが声を上げる「#MeToo運動」では、今年、疑惑をかけられた側の処遇はどうあるべきかについても、議論が深まってゆきそうだ。

[執筆者]
小林恭子(在英ジャーナリスト)
英国、欧州のメディア状況、社会・経済・政治事情を各種媒体に寄稿中。新刊『英国公文書の世界史』(中公新書ラクレ)、『フィナンシャル・タイムズの実力』(洋泉社)、『英国メディア史』(中央公論新社)、『日本人が知らないウィキリークス(新書)』(共著、洋泉社)

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小林恭子(在英ジャーナリスト)


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