Huaweiめぐり英中接近か──背後には華人富豪・李嘉誠
ニューズウィーク日本版 / 2019年2月22日 12時30分
李嘉誠は幼いころの極貧生活経験があるので、鋭いビジネス感覚だけでなく、「弱い者の味方」をする正義感を持っている。だからHuaweiを応援した。それが今回の急展開をもたらしたと言っていいだろう。習近平は、Huaweiを応援する「人民の声」が最も怖いのだから。
実際には中国政府と癒着どころか最も疎遠で、しかも若者が応援するHuaweiをターゲットにすれば、人民が動き出すだろうことを懸念してきたが、ここにきて李嘉誠という思いもかけないファクターが加わり、一気に地殻変動が起きる兆しが見えてきた。
なお、Huaweiの任正非総裁は、もし中国政府が「国家情報法」に基づいて個人情報を提出せよと要求して来たら、その時はHuaweiという会社を閉鎖する(廃業する)と断言している。
[執筆者]遠藤 誉
1941年中国生まれ。中国革命戦を経験し1953年に日本帰国。東京福祉大学国際交流センター長、筑波大学名誉教授、理学博士。中国社会科学院社会学研究所客員研究員・教授などを歴任。著書に『「中国製造2025」の衝撃 習近平はいま何を目論んでいるのか』(2018年12月22日出版)、『習近平vs.トランプ 世界を制するのは誰か』、『毛沢東 日本軍と共謀した男』、『卡子(チャーズ) 中国建国の残火』(中英文版も)、『チャイナ・セブン <紅い皇帝>習近平』、『ネット大国中国 言論をめぐる攻防』、『チャイナ・ジャッジ 毛沢東になれなかった男』、『中国動漫新人類 日本のアニメと漫画が中国を動かす』など多数。
※当記事はYahoo!ニュース 個人からの転載です。
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遠藤誉(東京福祉大学国際交流センター長)
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