【動画】動物実験に使われている36匹のビーグル犬の命を救え
ニューズウィーク日本版 / 2019年3月15日 16時18分
<「犬たちは檻に入れられ、毎日毒を飲まされ、一歩一歩死に近づいている」と、動物愛護団体は解放を訴える>
米ミシガン州にある研究所で動物実験が行われ、ビーグル犬36匹が無理やり殺菌剤を飲まされているとして、全米最大の動物愛護団体「米国人道協会」(HSUS)が犬たちの解放を呼び掛けている。生き残ったとしても、7月末までに安楽死させられる運命だという。
HSUSがネットで呼びかけた犬たちの解放を求める署名は3月13日の夕方時点で10万筆以上になった。
HSUSのプレスリリースによれば、犬たちが収容されているのはミシガン州マッタワンにあるチャールス・リバー研究所。世界最大の米化学メーカー、ダウ・デュポンの農業事業を分離した「コルテバ・アグリサイエンス」が所有している。
HSUSが研究所の犬の状態を調査したところ、約20匹のビーグル犬が檻の中で体を縮こまらせ、怯えているのを発見。さらに研究所が企業から委託された化学製品の安全テストのため、犬たちは日常的に「薬物や殺虫剤などを投与されていた」。これまでHSUSは犬たちの解放を確約するようコルテバに求めていたが、交渉が「袋小路」に入ったという。
「数カ月間にわたり、必要のない動物実験を中止し、犬たちを引き渡すよう(親会社の)ダウ・デュポンに要求してきた」とHSUSのキティ・ブロック会長は声明で述べた。「ダウ・デュポンの行動を後押しするためかなりの時間を費やしたが、もう限界だ。犬たちは檻に入れられ、毎日毒を飲まされ、一歩一歩死に近づいている。一般の人々にも、ダウ・デュポンに動物実験を即刻中止させ、里親探しに協力させる活動に参加してほしい」
動物実験の現場の動画を公開
HSUSは3月12日、同研究所で過去に実施された動物実験の様子を収めた動画を公開。今いるビーグル犬たちも同じ目に遭うだろう、と述べた。動画には、痛々しい手術跡が残ったまま檻に閉じ込められてぐったりしたり、注射器のようなもので正体不明の液体を強制的に飲み込まされたりする犬の姿が映っている。
コルテバは声明で、当局から求められた場合にしか動物実験は行っていないと主張。ビーグル犬を使った動物実験は、ブラジルの国家衛生監督庁(ANVISA)が義務付けたものだ、と反論した。
さらにコルテバはこう主張している。「今回の研究に必要なデータ収集を行うためには(動物実験より)もっと良い方法があるのは確かだ。われわれは長年HSUSと連携し、殺虫剤の実験の条件を変えるようANVISAに働きかけてきた。動物実験は不要と決まれば、即刻中止し里親探しに最善を尽くす」
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