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バイデン前副大統領「髪にキス」で窮地に

ニューズウィーク日本版 / 2019年4月1日 18時0分

本誌に対する声明の中で、ジョー・バイデンの報道担当者ビル・ルッソはこう書いている。「バイデン副大統領は14年にネバダ州副知事に立候補したルーシー・フローレスを応援し、彼女のために集会で演説した。当時、そしてその後も、バイデンはフローレスさんが主張するような事実は認識していなかったし、今も記憶にない」



そして、ルッソはこう続けた。「フローレスさんが自分の記憶を公表することは当然の権利だ。それが可能になったのは、社会にとって良い変化だと信じている。バイデンはフローレスさんを、私たちの政治における強く独立した声であると考え、彼女の成功を願っている」

フローレスの件と同じタイミングで、バイデンが関連する別のセクハラ疑惑についての議論が盛り上がっていた。それは1991年、最高裁判事の候補になったクラレンス・トーマスが、部下だったアニタ・ヒルに性的嫌がらせで告発された事件。ヒルは議会公聴会で自分が受けた被害について証言したが、当時、上院司法員会の委員長だったバイデンのヒルへの対応は、冷淡なものだったといわれている。

先週3月27日、自分の名を冠した「バイデン勇気賞」授与式での演説で、彼は当時の自分の行動を謝罪した。バイデンは(黒人の)ヒルは白人男性ばかりの司法委員会で屈辱的な尋問を受け「ひどい代償」を支払わされた、「勇気ある女性」だったと語った。

大統領選へ最初の試練

またこうも言っている。「当時の司法委員会は彼女の告発の意味を完全に理解することができなかった。今日にいたるまで、彼女の証言にきちんと耳を傾ける機会がなかったことを悔やんでいる。何かすることができたらよかったのに、と思っている」

バイデンは3月31日、今回の疑惑について声明を出し、言われるような不適切なことをした記憶はないが、「女性が不快な思いをした体験について、人々に訴えることができ、訴えるべきだと考えられる時代がきたことは重要だ。私も耳を傾ける」と誓った。

2020年大統領選の有力候補としてバイデンが生き残れるかどうかは、白人の高齢男性に対して人々が抱く時代遅れという印象を払拭できるかどうかにかかっている。これは、最初の試練だ。

(翻訳:栗原紀子)


ニコル・グッドカインド


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