リビア民兵組織将軍の、裏目に出たトリポリ進軍作戦
ニューズウィーク日本版 / 2019年5月4日 14時20分
トリポリに乗り込んでも、最初のうちは金銭などに釣られてLNAを支持する勢力があるかもしれない。だが、いずれハフタル体制への反感が高まるのは必至だ。トリポリには、よそ者の支配に力ずくで抵抗してきた長い伝統がある。
また和平プロセスから手を引いたり、トリポリ奪還作戦で大量の犠牲者を出すような事態になれば、イスラム過激派の一掃という主張ゆえにハフタルを支援してきた諸国も離反する。
国際社会が、当事者全員の面目が立つやり方で慎重に事を進めなければ、戦闘激化の可能性は再び高まる。国連は国民会議を延期したが、このままだとハフタルを利する恐れがある。たとえ軍事衝突が激しくなろうと、そして日程が多少ずれ込もうと、全員参加の会議を開かねばならない。まずは武器を置いて交渉の席に着くよう促すべきだ。
From Foreign Policy Magazine
<本誌2019年5月4日号掲載>
※4月30日/5月7日号(4月23日発売)は「世界が尊敬する日本人100人」特集。お笑い芸人からノーベル賞学者まで、誰もが知るスターから知られざる「その道の達人」まで――。文化と言葉の壁を越えて輝く天才・異才・奇才100人を取り上げる特集を、10年ぶりに組みました。渡辺直美、梅原大吾、伊藤比呂美、川島良彰、若宮正子、イチロー、蒼井そら、石上純也、野沢雅子、藤田嗣治......。いま注目すべき100人を選んでいます。
ジェーソン・パック(コンサルティング会社「リビア・アナリシス」創業者)、マシュー・シンケズ(同研究員)
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