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ポンペオの「Huaweiは嘘つき」発言を検証する

ニューズウィーク日本版 / 2019年5月25日 19時0分

Huaweiに関して「証拠を出せ」とアメリカ政府に迫っていないのは、日本国、一国であることを認識したいものである。アメリカのメディアでさえ、「証拠を出せ」と迫っていることが、このCNBC報道で分かったはずだ。しかし共同通信は、その部分は無視して、「嘘つきだ」という部分だけを切り取って日本人に知らせた。これは国益に適っているのだろうか?

私たちには「真実を知る権利」がある。

民主主義国家のメディアが、その基本的権利をもぎ取ってはならないと思うが、いかがだろう。

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 追記:Huaweiが巨大化したのは、中国政府から潰されそうになったので海外に支店を数多く(現在170地点)持ったのと、従業員持ち株制度により、98.7%は従業員が株主であるため、従業員の労働意欲が国有企業とは比較にならないからだ。また常に中国政府による嫌がらせを受けてきたため「イノベーション」で生き残ること(いざとなったらアメリカ企業に高く売却できること)、逆にアメリカを追い抜く可能性が出てきたときには、今度はアメリカら押さえつけられるのを知っていたため、アメリカの最高レベルのQualcommと同レベルの半導体を常に準備しておくという使命感に燃えていた。だからHuaweiの任正非CEOは『次に倒れるのは華為(Huawei)だ』(邦訳、『冬は必ずやってくる』)という本を著している。いつかは中国政府に倒されると覚悟していたからである。「中国政府の支援がない状態でここまで巨大化できるはずがないだろう」と疑うのは、中国政治の真相を知らない者の邪推だ(訳知り顔の評論家は、その程度のことしか言わず、またその方が日本人に受ける。実に日本人的発想でしかないからだ)。筆者は「言論弾圧をする国に世界を制覇させてはならない」という警鐘を鳴らすために執筆活動を続けている。この信念は揺るがない。

[執筆者]遠藤 誉
1941年中国生まれ。中国革命戦を経験し1953年に日本帰国。筑波大学名誉教授、理学博士。中国社会科学院社会学研究所客員研究員・教授などを歴任。著書に『「中国製造2025」の衝撃 習近平はいま何を目論んでいるのか』(2018年12月22日出版)、『習近平vs.トランプ 世界を制するのは誰か』、『毛沢東 日本軍と共謀した男』、『卡子(チャーズ) 中国建国の残火』(中英文版も)、『チャイナ・セブン <紅い皇帝>習近平』、『ネット大国中国 言論をめぐる攻防』、『チャイナ・ジャッジ 毛沢東になれなかった男』、『中国動漫新人類 日本のアニメと漫画が中国を動かす』など多数。

※当記事はYahoo!ニュース 個人からの転載です。

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遠藤誉(筑波大学名誉教授、理学博士)


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