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「トランプ大統領が潔白とは言っていない」──ロシア疑惑のムラー特別捜査官が沈黙破る

ニューズウィーク日本版 / 2019年5月30日 16時40分

ムラーの報告書が公開されて以来、トランプは繰り返しその内容をねじ曲げ、「潔白」が証明されたと虚偽の主張をしてきた。報告書は結論で司法妨害とロシアとの共謀疑惑に焦点を当て、トランプの選対本部は「ロシアの工作を通じて盗まれ、公開された情報により、選挙で有利になることを期待していた」と指摘しながらも、「トランプ陣営のメンバーがロシア政府と共謀した、もしくはロシアの選挙介入に協力したという確証は得られなかった」と述べている。

記者会見でもムラーは、「より広い陰謀で起訴に踏み切るには、証拠が不十分だった」と述べた。

報告書には、トランプが特別検察官の罷免を目論むなど、捜査の妨害を試みた事例が十数件挙げられている。「捜査に介入しようとする(こうした試みは)ほとんど成功しなかった。大統領の周辺の人々が命令の実行や彼の要求に加担することをためらったからである」と分析した上で、ムラー率いるチームはこう述べている。「この報告書は、大統領が罪を犯したと結論づけるものではないが、彼の潔白を証明するものでもない」


※6月4日号(5月28日発売)は「百田尚樹現象」特集。「モンスター」はなぜ愛され、なぜ憎まれるのか。『永遠の0』『海賊とよばれた男』『殉愛』『日本国紀』――。ツイッターで炎上を繰り返す「右派の星」であるベストセラー作家の素顔に、ノンフィクションライターの石戸 諭が迫る。百田尚樹・見城 徹(幻冬舎社長)両氏の独占インタビューも。


ラムジー・タッチベリー


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