1. トップ
  2. 新着ニュース
  3. 国際
  4. 国際総合

『ゴジラ キング・オブ・モンスターズ』撮影現場で見た監督のこだわり

ニューズウィーク日本版 / 2019年6月7日 17時0分

孤軍奮闘の渡辺謙。 ©2019 Legendary and Warner Bros. Pictures. All Rights Reserved.

絶対に妥協しない、ドハティ監督のこだわり。

この日撮影されていたのは、芹沢やチェンらの乗る潜水艦が海中で何かに激突するくだり。乗組員たちがその衝撃で吹っ飛んだり、物につかまって必死に転倒を避けようとする姿をカメラのアングルを変えながら撮っていくのだが、そのテイク数の多さは渡辺謙が「前作のギャレスも相当だったけれど、マイケルも負けないくらい執念深い」と現場で苦笑いするほど。

そう言いたくなるのも無理はない。何しろ、日中から夜の9時過ぎくらいまでずっとその一連のシーンを撮っていたのだから。だが、それは「僕はソウル(魂)が感じられる芝居を常に俳優たちに求めている」という絶対に妥協しないドハティ監督のこだわりの証し。

「だから、ソウルが感じられるまで何度でもテイクを重ねるし、話し合いもする。本作をただの怪獣映画だと思っているキャストには、『ゴジラ』映画の根底にある精神を徹底的にレクチャーしたよ」

ラドンには日本のオリジナルのラドンの描写が忠実に受け継がれている。高速で飛行するその雄大なシルエット、衝撃波で家々の屋根が吹き飛ぶ驚愕の映像はハリウッド・デビューの名刺代わり!? 本作オリジナルの攻撃スタイルも必見だ。 ©2019 Legendary and Warner Bros. Pictures. All Rights Reserved.

とは言え、スタジオの中は別にピリピリしているわけでなく、心地よい緊張感が漂っている。そんなドハティ監督の現場の印象を、セットの脇で台本を片手にセリフを頭の中に叩き込んでいたチャン・ツィイーが教えてくれた。



「私はこれまで感情を揺さぶられる悲しい役や涙を流す役が多かったので、怪獣映画に出られることにまず興奮したし、怪獣という生き物が存在していると信じて毎日演じているわ。実際、昨日は怪獣が目の前にいるというシーンをグリーンバックで撮影したし、怪獣に追いかけられるシーンでは『とにかく逃げろ!』と言われて全力で走った。そんな、いままでやったことのない想像力を必要とする芝居を要求されるので、刺激的ですごく楽しいわ」

周知の通り、チャン・ツィイーと渡辺謙は05年の『SAYURI』以来となる2度目の共演だ。「でも、前回は私が英語をほとんど話せなかったので、コミュニケーションがとれなくて。今回ようやくお互いのことを知ることができたし、謙さんはプロフェッショナルだけど、ユーモアもある方なので、リラックスした状態でお芝居ができるし、とても演じやすい」

この記事に関連するニュース

トピックスRSS

ランキング

複数ページをまたぐ記事です

記事の最終ページでミッション達成してください