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原油高騰とタンカー危機、混迷するイラン情勢の行方を読み解く2つのキーワード

ニューズウィーク日本版 / 2019年7月19日 11時7分

こうした状況下、IEA(国際エネルギー機関)が12日に発表した原油の需給動向によると、2019年上半期は石油供給が需要を1日当たり90万バレル上回っていたとされる。米テレビ局CNBCによると、IEAの石油セクターの責任者が20年の見通しについて「かなりの供給過剰」(considerable oversupply)と指摘。だぶつく状況が続きそうだ。

それでも決して楽観視できないのが原油相場である。2008年に147ドルの史上最高値を付け、その後30ドル台まで急落するといった展開を当時、誰が予想しただろうか。まして中東情勢が混沌とする今である。予断を持つべきではないだろう。

市場の乱高下はもちろん、核合意の破綻や、軍事衝突といった最悪のシナリオは避けねばならない。核合意当事者の英仏独は合意から4年となる7月14日に共同声明を出し、米イランに対話の再開を促した。英BBCによると、欧州連合(EU)外交責任者のフェデリカ・モゲリーニも15日、イランのウラン濃縮活動に関し、違反は深刻ではなく後戻りは可能との見方を示している。

平和裏に解決する落しどころは必ずあるはずだ。

[筆者]
南 龍太(みなみ・りゅうた)
「政府系エネルギー機関から経済産業省資源エネルギー庁出向を経て、共同通信社記者として盛岡支局勤務、大阪支社と本社経済部で主にエネルギー分野を担当。また、流通や交通、電機などの業界、東日本大震災関連の記事を執筆。現在ニューヨークで多様な人種や性、生き方に刺激を受けつつ、移民・外国人、エネルギー、テクノロジー、Futurology(未来学)を中心に取材する主夫。著書に『エネルギー業界大研究』(産学社)など。東京外国語大学ペルシア語専攻卒。新潟県出身。
ryuta373rm[at]yahoo.co.jp


南 龍太(ジャーナリスト)


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