NBAレジェンドが、現代のヒーロー「キング」レブロンを語り尽くす
ニューズウィーク日本版 / 2019年7月19日 15時54分
個々の記録はいずれ破られるだろうが「好不調の波がない」レブロンは現役最高の選手だ PHOTO ILLUSTRATION BY GLUEKIT, ROBERT LABERGE/GETTY IMAGES
時間とも戦うアスリート
ヒーローたる者は人に刺激を与え、さあ私に追い付け、追い越せと鼓舞しなければならない。レブロンの優れた身体能力は地道なトレーニングと栄養管理のたまものだ。朝はたいてい5時に起きてエクササイズをする。これをシーズン中は週7日、オフシーズンでも週5日はやる。日課にはステップ台やバイクのエクササイズ、ピラティスや各種のウエートトレーニングがあり、液体窒素で冷やした容器にも入る。
もう1つ、ヒーローに求められるのは非妥協的なまでの一貫性だ。レブロンはトレーニングに年間100万ドル以上を投じ、海軍特殊部隊出身という生体力学の専門家を雇って、休暇にも帯同させている。
無駄な贅沢ではない。レブロンは少年時代から肉体を酷使してきたプロのアスリートだ。何年も前から背中に痛みを抱えている。それでも(いつ引退しても生活には困らないはずなのに)彼は毎年コートに戻ってきて、肉体をさらに痛めつける。
そう、コート上でのレブロンはいつも強敵に囲まれている。だが彼にはもっと大きな敵がいる。時間だ。時間との戦いは私たちが誰でもいつかは直面する戦いであり、最終的には誰も勝てる見込みのない戦いだ。
それでもレブロンは潔く、決然として戦いに挑む。そんな彼を私たちは応援せざるを得ない。彼は「中年」になることを拒む。34歳で体重122キロの男があれだけ機敏に動き回り、スタミナもスタイルも衰えないのを見れば、こちらも元気になる。
昨年のゴールデンステート・ウォリアーズとのプレーオフシリーズで、レブロンは足首をひどくひねったが、それでも33ポイント、10リバウンド、11アシストのトリプルダブルを決めた。これこそ日々の鍛錬の成果だ。しかも結果を出すリーダーは、従う者を勝利に導くだけではない。それぞれが自分の才能を高めることを助け、全員のレベルを押し上げる。
「リーダーシップは1日や2日、あるいは2カ月だけの話ではない。常に問われるものだ」と彼は言う。「チームスポーツに参加して、自分の成功の過程を振り返れば、成功は自分だけで勝ち取るものではないことが見えてくる。成功し続けるためにはチームの全員が大切であり、みんながコミットする必要がある」
この記事に関連するニュース
-
NBAで6度MVPのジャバー氏も偉大なメイズさんを追悼、不可能を可能にし水の上も歩けると信じていた
スポニチアネックス / 2024年6月21日 9時9分
-
人種差別が当たり前に存在していたアメリカのスポーツ界…リベラルな風が吹き荒れるアメリカで〈大谷翔平〉が活躍することの意味
THE GOLD ONLINE(ゴールドオンライン) / 2024年6月19日 11時15分
-
バスケ富永啓生、ステフィン・カリーの「カリーブランド」と契約 アメリカ国外では史上初【コメント全文】
ORICON NEWS / 2024年6月15日 14時50分
-
ジェリー・ウェストが86歳で逝去 NBAで選手、コーチ、フロントとして長らく活躍
NBA Rakuten / 2024年6月13日 9時16分
-
「NBA史上最も才能がある選手」 レブロン・ジェームズが元相棒カイリー・アービングを大絶賛
NBA Rakuten / 2024年6月5日 8時56分
ランキング
複数ページをまたぐ記事です
記事の最終ページでミッション達成してください
![](/pc/img/mission/mission_close_icon.png)