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NBAレジェンドが、現代のヒーロー「キング」レブロンを語り尽くす

ニューズウィーク日本版 / 2019年7月19日 15時54分


人種差別に抗議したNFLのキャパニック(右) KIRBY LEEーUSA TODAY SPORTSーREUTERS

黒人アスリートなら、もう絶望して諦めたほうが楽かもしれない。それでもレブロンやコリン・キャパニック(試合前の国歌斉唱中に片膝をついて抗議したせいで干されたNFLの選手)をはじめ、多くのアスリートが正義のために闘い続けている。

レブロンにも失敗はある。例えば17年に元NBA選手で現在は解説者を務めるチャールズ・バークレーと対立している。選手補強についてキャバリアーズの経営陣に公然と不満を言ったことについて、バークレーに「泣き言が多く」「不適切」と非難されたレブロンは、「僕のレガシーを否定するのか」と猛反発した。「僕は誰かさんみたいに観客に唾を吐かないし、ギャンブルもしない。日曜日のオールスター戦にちゃんと出場できるのは週末に遊びほうけていないからだ」



レガシーなど気にするな

2人の間に敵対感情が生まれた一因は、バークレーがレブロンを「NBA史上トップ5選手」に入れなかったことらしい。だがアスリートが競技に対する愛情やファンからの愛情、あるいはお金のためにプレーするのは理解できるが、「レガシー」にこだわるのは短絡的ではないだろうか。

私も現役時代に数多くの記録を樹立したが、記録のためにプレーしたことは一度もない。チームの一員として、社会活動家として、あるいは地域社会の一員としてのレガシーは残したいが、アスリートとしてのレガシーを残そうと考えたことはない。既に社会的に十分な実績があるレブロンが、あえて選手としてのレガシーにこだわるのは狭量に思える。

昨年夏、レブロンは故郷オハイオ州アクロン市と共同で、恵まれない子供たちのための公立学校を設立した。ここは勉強を教えるだけでなく、生徒の家族が生活を向上させるための支援もする。地域社会へのこうした尽力は、豪快なダンクシュートよりもずっとヒーローにふさわしい。


レブロンが地元に設立した学校 JASON MILLER/GETTY IMAGES

最後に、メディアに蔓延するGOAT(Greatest of All Time、史上最高)という病、つまり「誰が史上最高の選手なのか」という話題に触れておきたい。

今年1月、レブロンはESPNのインタビューで、自分こそがGOATだと主張した。16年のNBAファイナルで、1勝3敗の劣勢からの逆転劇によってキャバリアーズに数十年ぶりの優勝をもたらした実績を引き合いに出し、「あの逆転優勝が僕を史上最高の選手にした」と語ったのだ。

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