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デーブ・スペクター「吉本」「日本の芸能事務所」「テレビ局との癒着」を全て語る

ニューズウィーク日本版 / 2019年7月26日 17時55分

事務所のホームページをよく見てみると、ベテランとして上のほうに載っているんですよ。みんな年功序列制だから(笑)。あんまり活躍はしていないけど、冷たくしないで残しておく。それで、それほど注目されない番組のいろんな枠に入れちゃう。20人、30人必要なひな壇がある、大特番番組などに何人か入れてあげる。

その人を残すことで会社は損している場合があるが、それこそファミリーとして残したままにしてあげる。事務所にもよるが、日本は後になってから面倒見がいい。

――日本は、売れなくなったからといって解雇はできないのか。

冷たすぎる、そんなことしたら。態度が悪いとかクレームばかりのタレントだったら解雇するが、基本的にはやらない。病死するまでいる。アメリカは月給なんて保障しないから、エージェントにとって負担にならない。稼げなくなったらその分、マネジメントに払わないだけの話だ。

逆にアメリカの場合だと、エージェントがなかなか仕事を探してくれないとか、うまく斡旋してくれないとか、交渉が上手でないとか、オーディション情報や新作映画やテレビシリーズの情報が遅いとか、チャンスを逃したとか、そういうときにはタレントが自分からマネジメント契約を解消して違うところに移籍する。自分が雇っているので、自分で決められる。日本とアメリカでは立場が逆だ。

アメリカの芸能界には労働組合もある。役者組合、ブロードウェーなど演劇の組合、僕も子役のときに入っていた米国俳優協会(Actor's Equity Association: AEA)もあるし、映画だったら映画俳優組合(Screen Actors Guild:SAG)、テレビやラジオ関係なら米国テレビ・ラジオ芸能人組合(American Federation of Television and Radio Artists : AFTRA)がある(2012年にSAGとAFTRAが合併し、現在はSAG-AFTRA)。

そのほかに音楽関係は別に組合があるなど、エンターテインメントの世界にものすごい数の組合がある。僕が今も入っている全米監督組合(Directors Guild of America: DGA)は、年金もあるし本当に素晴らしい。なぜ組合があるかというと、大昔は働く環境がよくなくて、搾取されたり労働条件が悪かった。今は組合に入っていると最低賃金が保障される。



芸能事務所とテレビ局の癒着を生む「接待文化」

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