中国、台湾への個人旅行を暫時停止──かまえる中国軍
ニューズウィーク日本版 / 2019年8月2日 13時59分
●「平和統一、一国二制度」は国家統一を実現するための最も良い方法だ。
●台独(台湾独立)分裂活動と外部勢力による干渉は必ず失敗する。
●中国の軍隊は、絶対に祖国統一を守るためなら、いかなる犠牲をも惜しまない。台湾問題は中国の主権と領土保全に関わる問題だ。もし外部勢力が台湾を中国から分裂させようとするならば、あるいは台独分裂分子が猛り狂った行動に出るならば、中国の軍隊は国家安全と国家統一と領土の保全を断固守るために、全ての準備を整え、戦略的支援をする覚悟ができている。
●白書は、「われわれは武力を使用することを放棄することを認めない」と強調している。台湾同胞を台独分裂分子から守るために、すべての選択肢を残していることを忘れてはならない。中国の軍隊は座視することはなく、如何なる犠牲も恐れずに、断固として国家統一を守る。(以上)
すなわち、中国はいざとなったら武力を行使するということだ。
その第一歩が、この台湾への個人旅行暫時停止令なのである。
軍靴の足音は、既に目の前まで迫っている。
台湾が飲み込まれれば、次に狙われるのは第一列島線だ。
安倍首相は習近平国家主席に「一つの中国」を守ることを何度も誓っている。すなわち、「台湾の独立を絶対に認めず、台湾は北京政府のものだ」ということを誓っていることに相当するのだ。
再び問う。日本はこのままでいいのか。
香港や台湾の若者たちの必死の叫びを座視していていいのか――。
経済界は目前の利益を追うだろうが、それが果たして真の日本の国益に適うのか否かに関する長期的戦略と展望を練っていくのが国家であり政権なのではないだろうか。
※当記事はYahoo!ニュース 個人からの転載です。
[執筆者]遠藤 誉
中国問題グローバル研究所所長、筑波大学名誉教授、理学博士
1941年中国生まれ。中国革命戦を経験し1953年に日本帰国。中国問題グローバル研究所所長。筑波大学名誉教授、理学博士。中国社会科学院社会学研究所客員研究員・教授などを歴任。著書に『「中国製造2025」の衝撃 習近平はいま何を目論んでいるのか』、『毛沢東 日本軍と共謀した男』、『卡子(チャーズ) 中国建国の残火』、『チャイナ・セブン <紅い皇帝>習近平』、『ネット大国中国 言論をめぐる攻防』、『チャイナ・ジャッジ 毛沢東になれなかった男』、『中国動漫新人類 日本のアニメと漫画が中国を動かす』『中国がシリコンバレーとつながるとき』など多数。
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遠藤誉(中国問題グローバル研究所所長)
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