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「政府は真実を隠している!」 UFOブームがアメリカに再び襲来

ニューズウィーク日本版 / 2019年8月2日 19時15分



15年11月にカリフォルニア州ランズバーグで目撃された光る物体 MARCUS YAMーLOS ANGELES TIMES/GETTY IMAGES


メロンはティックタック形UFOの映像には説得力があると思っているが、UFO信者でない専門家の見方は異なる。「こうして常ならざるものが見えるのは全て、自然もしくは人間の手による現象によって説明がつく」と言うのは、ハーバード大学天文学部のアビ・ローブ学部長だ。

世界中の国が隠蔽に参加?

要するに、パイロットたちが見たのは自分たちが使っている機器や太陽、鳥や雲がつくり出した光学的な幻だったのかもしれないのだ。過去にも例があるが、最高機密の実験機が同じエリアでテスト飛行していた可能性もある。17年、CNNがティックタック形UFOのビデオを天文学者のニール・ドグラース・タイソンに見せたところ、タイソンは皮肉っぽくこう答えた。「宇宙人からディナーのお誘いが来たら呼んでくれ」と。



そもそも、宇宙人の乗った宇宙船がそんなにたくさん飛んでいるのなら、なぜ軌道上に何千とある人工衛星の観測の網に引っ掛かっていないのか?

「『アメリカ政府が隠蔽しているから』と言うかもしれないが、それならアメリカだけでなく(衛星を運用している)全ての国の政府が隠蔽していることになる」と、地球外生命体の発見を目的とする非営利組織SETI研究所の上級研究員セス・ショスタクは言う。「そんなことはあり得ない」

国防総省や情報当局にまともに相手にしてもらいたいと思うなら、なぜエリゾンドはMUFONのシンポジウムのような「色物」のイベントに顔を出したのか。彼やメロンやその同僚たちはなぜ、デロングのようないかれたロックスターと手を組むのか。

そうした疑いの声についてエリゾンドは「政府による情報工作に手を貸しているわけではない」とうんざりした様子で答えた。「安定した仕事をなげうつという大きなリスクを冒してまでやっているんだ。もし実を結ばなかったら、私はウォルマートでバイトをする羽目になるだろう」

アカデミーの成功に向けて、これから半年ほどが正念場だとエリゾンドは言う。その頃にはUFO目撃情報に関するさらなるデータを公表できるようになると、彼は考えている。

だがそれでも多くの疑問は残る。彼は国防総省時代に知り得た情報の機密指定を解くために水面下で動いているのか? 尋ねても本人は答えない。その情報に人々がアクセスできるようになるのはいつなのか?「(そのために)動いているところだ」と彼は答えた。

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