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和歌山カレー事件、林眞須美死刑囚の長男が綴る「冤罪」の可能性とその後の人生

ニューズウィーク日本版 / 2019年8月21日 17時55分

とはいえ、やったという確証もない。もしもやっていないのなら、見殺しにはできない。そんな思いがあるからこそ、最近になってツイッターを始めた。

大手メディアを通じて一方的に発信するだけではなく、カレー事件や母親のことに多少なりとも関心を持ってくれる人々と直接やりとりをしたかったというのである。

当然のことながら辛辣な意見も届くようだが、「林真須美の息子」であることから「もう逃げない」と決意したからこそ、全てを受け止めていく覚悟はできていると結んでいる。

この事件に対する印象はさまざまだろう。しかし、少なくとも本書に目を通しておくべきだと感じる。私がそうであったように、見方が変わる可能性があるからである。


『もう逃げない。~いままで黙っていた「家族」のこと~』
 林眞須美死刑囚長男 著
 ビジネス社


[筆者]
印南敦史
1962年生まれ。東京都出身。作家、書評家。広告代理店勤務時代にライターとして活動開始。現在は他に「ライフハッカー[日本版]」「東洋経済オンライン」「WEBRONZA」「サライ.jp」「WANI BOOKOUT」などで連載を持つほか、「ダ・ヴィンチ」などにも寄稿。『読んでも読んでも忘れてしまう人のための読書術』(星海社新書)をはじめ、ベストセラーとなった『遅読家のための読書術――情報洪水でも疲れない「フロー・リーディング」の習慣』(ダイヤモンド社)、『世界一やさしい読書習慣定着メソッド』(大和書房)、『人と会っても疲れない コミュ障のための聴き方・話し方』(日本実業出版社)など著作多数。

印南敦史(作家、書評家)


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