地球の気温上昇を2度未満に抑える人類の戦い
ニューズウィーク日本版 / 2019年9月20日 15時0分
グテレスは若手の運動家たちを表舞台に引っ張り出す。特に注目されたのが10代にして知名度抜群のスウェーデンのグレタ・トゥーンベリだ。
彼女が1年前に地元ストックホルムで始めた「気候のための学校ストライキ」は野火のように全世界に広がった。
「わが家が火事で燃えているかのように行動せよ。本当にそうなのだから」という彼女の言葉に触発されて何十万人もの生徒が授業に出るのをやめて街頭デモに繰り出した。
グテレスはユース気候サミットの日と定めた9月21日の基調演説者としてトゥーンベリを招いた。彼女は23日のサミットでも首脳たちの前で演説する。
トゥーンベリ(中央)は炭素排出量ゼロの移動手段であるヨットで大西洋を渡った ANDREW KELLY-REUTERS
デアルバは各国政府に迫るためには社会からの圧力がものをいうと信じている。「国際法に多くの例があるように、成就できるか否かはその後の検証と、市民社会から名指しで恥をかかせることに懸かっている。約束を守らない国だとやり玉に挙げるためにはメディアと活動家が大切な役割を果たす」
デアルバ自身も10代の息子から助言を得た。若者の未来を語るより、発生中の気象災害について話せという息子の意見は「一理ある」とデアルバは言う。「明日ではなく、今日からでも取り組む必要がある緊急事態だ。科学に基づいて示された2030年や2050年という期限も大事だが、まだ時間的余裕があると思ってはいけない。それはとんだ間違いだ」
*この記事の初出はザ・ネーション誌です。世界250以上の報道機関による気候変動報道の強化を目指す取り組み「Covering Climate Now」とニューズウィーク日本版の協力によりここに転載します。
<本誌2019年9月24日号掲載>
【関連記事】地球温暖化で島国が海に沈むとき、国際秩序が崩壊する
【関連記事】肉食を減らそう......地球温暖化を抑えるために私たちができること
※9月24日号(9月18日発売)は、「日本と韓国:悪いのはどちらか」特集。終わりなき争いを続ける日本と韓国――。コロンビア大学のキャロル・グラック教授(歴史学)が過去を政治の道具にする「記憶の政治」の愚を論じ、日本で生まれ育った元「朝鮮」籍の映画監督、ヤン ヨンヒは「私にとって韓国は長年『最も遠い国』だった」と題するルポを寄稿。泥沼の関係に陥った本当の原因とその「出口」を考える特集です。
マーク・ハーツガード(ジャーナリスト)
この記事に関連するニュース
-
マークテック、染色浸透探傷剤『エコチェック(R)シリーズ』の販売を通した地球温暖化への貢献活動を継続
PR TIMES / 2024年6月29日 21時40分
-
地球温暖化のウソ? ホント?(8) “産業革命以降”CO2が大量に増えたって本当?
ウェザーニュース / 2024年6月22日 5時10分
-
「惑星破壊に加担するな」国連グテレス事務総長がPR業界に苦言を呈した理由
ニューズウィーク日本版 / 2024年6月12日 13時0分
-
温暖化ペース、観測史上最悪 過去10年で0.26度上昇
共同通信 / 2024年6月6日 17時11分
-
各国に化石燃料広告の禁止求める 国連総長「今が正念場」
共同通信 / 2024年6月6日 9時42分
ランキング
-
1バイデン氏“撤退検討”米紙報じる… 民主下院議員25人も撤退要求準備か トランプ氏の対抗馬にハリス副大統領が急浮上【news23】
TBS NEWS DIG Powered by JNN / 2024年7月5日 11時11分
-
2ウクライナ、東部ドネツク州で激戦地から撤退…ロシア攻撃で「防衛陣地が破壊されたため」
読売新聞 / 2024年7月5日 10時45分
-
3スターマー氏、首相就任=労働党が地滑り的勝利―14年ぶり政権交代・英総選挙
時事通信 / 2024年7月5日 22時6分
-
4米兵事件に遺憾表明 エマニュエル駐日米大使「地域社会に透明性保つ必要ある」
産経ニュース / 2024年7月5日 15時50分
-
5焦点:ガザ戦後統治は誰が担うのか、イスラエルを悩ます難問
ロイター / 2024年7月5日 18時31分
記事ミッション中・・・
記事にリアクションする
![](/pc/img/mission/mission_close_icon.png)
記事ミッション中・・・
記事にリアクションする
![](/pc/img/mission/point-loading.png)
エラーが発生しました
ページを再読み込みして
ください
![](/pc/img/mission/mission_close_icon.png)