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トランプ弾劾調査の引き金になった「ウクライナ疑惑」のすべて

ニューズウィーク日本版 / 2019年9月25日 18時0分



8月になって、米情報機関当局者からトランプが外国の首脳と連絡をとり、ある「約束」をしたという内部告発が提出された。ニューヨーク・タイムズとウォール・ストリート・ジャーナルはどちらも、この告発はウクライナと関係があると主張した。ウォール・ストリート・ジャーナルはまた、トランプはゼレンスキーにハンター・バイデンを調査するよう、少なくとも8回は要請したと報じた。

情報諸機関を統括する監察総監はトランプによって任命された人物だが、内部告発者の報告は「緊急の懸念と信頼できる」ものであり、「国家情報長官のアメリカ国民に対する責任のなかで最も重要かつ重大なものの1つに関連する」と述べている。

焦点は電話会談の中身

下院民主党はトランプとゼレンスキーの電話会談の内容を検討し、トランプがゼレンスキーに、2020年大統領選挙の民主党有力候補ジョー・バイデンに対する汚職容疑を調査することで、ウクライナのイメージを改善できると語ったと主張している。

この電話会談の翌日、ウクライナの米国特別代表カート・フォルカー大使は、ゼレンスキーと会談した。その後まもなく、トランプ個人の顧問弁護士を務めているルドルフ・ジュリアーニ元ニューヨーク市長は、スペインでゼレンスキーの補佐官アンドリー・ヤーマクと会い、両国の大統領の会談について話し合った。

ウクライナについて知るべきこと

ウクライナの現大統領は元コメディアンだ。人気のテレビ番組で突然大統領に選出される歴史教師の役を演じた後、彼自身が突然大統領に選出された。

一方、ウクライナは、はるかに大きな隣国であるロシアとまだ対立しているため、地政学的には不安な位置にある。 ロシアは2014年にウクライナの一部だったクリミアを強引に併合した。アメリカは主に、ウクライナの自衛努力を支援し、米議会は親ロシア分離主義者との戦いの資金として2億5000万ドルの資金提供を承認している。

ジュリアーニの証言

ジュリアーニは、バイデンと彼の家族がウクライナでの「贈収、強要、マネーロンダリング、詐欺」に関係したと信じており、そのことを何度かツイートしている。

だが、先週CNNに出演した際に、バイデン親子の調査についてウクライナの政府関係者を訪問し、話をしたことを初めて認めた。「もちろん、やった」とジュリアーニは言ったが、事前にその計画をトランプに伝えてはいなかったという。「自分だけの考えでやったことだ」とジュリアーニは言った。「トランプには後で話した」

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