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「きらきら弁当」も実は「男らしさ」だった......世界一男性性の強い国日本で「デキる男」とは?

ニューズウィーク日本版 / 2023年8月31日 21時22分

そう感じたのは、8月20日、都内で開かれたイベント「小林美香とのトークセッション『広告における男性の描き方』」に参加してからだ。同イベントでは写真・ジェンダー表象研究者である小林美香氏が日本で「デキる男」とググって出てくる男性の表象について分析をしていた。(※4)

皆さんにもググっていただきたいのだが、出てくるのは日本人よりも、白人男性モデルが多い。ビジネススーツに颯爽と身を包んだハンサムな白人男性が高層タワーで仕事をする......これが日本の「デキる男」の代表的なイメージなのだ。

こういった非現実的な男性像があらゆるメディアを通して刷り込まれる日本の男性は、一体どんな気分になるのだろう。本人に自覚がなくても見えない圧になってはいないか。

女性よりも不幸で自殺率が高い日本の男性たち

日本は男性優位社会のはずだが、なぜか世界で唯一、男性の幸福度が女性よりも低い国である(※5)。また、2020年度の日本男性の寿命は81.49歳と女性の87.60歳より6年も短く(※6)、2022年における男性の自殺率も女性の2倍以上だ(※7)。

女性の目には下駄を履いているように見える日本人男性だが、本人の意思とは関係なしに履かされているこの下駄が、実は重すぎるのではないか。

だから、どれほどジェンダーギャップや女性差別が叫ばれようと、余裕のない男性の耳には届かないのだ。つまるところ、世界一男性性の強い国日本は、男女がお互いのつらさを思いやる精神的余裕をもてないほど、生きづらいのである。

【参考】
※1......日本の組織文化について考えるために「ホフステードの文化次元論」の「男性性指数」(マスキュリニティ)をまとめてみた ー板敷ヨシコ
※2......ホフステードの国民文化ーホフステードインサイツ
※3......COUNTRY COMPARISON TOOL ーHOFSTEDES INSIGHTS
※4......小林美香(こばやし・みか) 写真・ジェンダー表象研究。大学や各種学校で教鞭をとるほか、国内外の雑誌などへの寄稿や編集、翻訳などを手がける。展覧会や、ワークショップの企画や写真で制作活動を行う人を対象としてコンサルティングも行っている。
Twitter:@marebitoedition
Instagram:@mika__kobayashi
※5......なぜ日本男子は世界で唯一、女性より幸福度が低くなるのか? ーNewsweek日本版
※6......令和2年度都道府県別生命表の概況ー厚生労働省
※7......令和4年中における自殺の状況ー厚生労働省自殺対策推進室警察庁生活安全局生活安全企画課

此花わか(セクシュアリティ・ジャーナリスト)


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