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14歳スイス人が体験した韓国の世界スカウト・ジャンボリー「混乱もあったけど楽しさも」

ニューズウィーク日本版 / 2023年9月4日 20時40分

チューリヒ州出身のロビン君。暑さをしのぐため、帽子や冷感タオルは手放せなかったという(写真提供:ロビン君)

テントで快眠でき、虫刺されもなし

セマングム地区の面積は、ソウルの3分の2に当たる。ジャンボリーの会場はその一地区で、約8.8平方キロメートルある。スイス代表団のテントから片方の端まで徒歩1時間、別の端まで徒歩20分かかったと、ロビン君は説明してくれた。各国のテントの場所の間に大小のコンビニがいくつかあり、食品や衣類やタオルが販売されていた。ロビン君は、ハンディファンと水に濡らして使う腕カバーをすぐに買って使った。
 
報道されているように、もともと干拓地だった会場には木陰などの自然が作る日陰は少なかった。スイス代表団が確保した日影は、写真のように、共有テントとメンバーのテント内のみだったという。しかし、スイス代表団はアイソトニック飲料や水を十分確保し、水分補給を徹底していた。活動も短縮して、日陰で扇風機をかけて休憩を多く取るようにしていた。

干拓地セマングムで行われた「第25回世界スカウトジャンボリー」。スイス代表団は、料理をしたり休憩する共有テントと、緑色や黄色のメンバーのテント以外に日陰はなかった(写真提供:ロビン君)

会場では8月1日から3日間で、熱中症になった人が500人を超えたと報じられた。日本では熱中症のことばかりが報じられたようだが、総勢約4万3千人の参加者のうちで500人の患者は全体の1%に過ぎない。スイス代表団の8月3日の公式発表によると、異常な暑さの中でもスイス勢は全員が元気だった。大会側の緊急対策で、氷や塩入りの水が配給され、冷房がきいたバスや日陰のエリアも設置され、追加で中・小型の扇風機も届いて、猛暑対策は刻々とよくなったそうだ。就寝に関しては、ロビン君の場合は暑さとマットレスの硬さとで寝付きはよくなかったが、寝入ってしまえばぐっすりと十分に睡眠できた。

虫に刺される人も多かったとの報道については、ロビン君は、確かに、何カ所も虫に刺された跡がある人を見かけたという。ただし、スイス代表団では、テントにネットを2重に張って虫よけをしっかりしていたことが功を奏し、ロビン君はまったく問題なかった。虫刺されは体質も関係しているだろう。またロビン君いわく「テント設置の場所も関係している気がします。海に近い方だと虫が多かったと思います。僕のグループは、海から離れていたエリアでした」とのことだった。

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