14歳スイス人が体験した韓国の世界スカウト・ジャンボリー「混乱もあったけど楽しさも」
ニューズウィーク日本版 / 2023年9月4日 20時40分
食事は少なめだったが3食あり、トイレも改善された
食事は、自国のテントで調理して食べた。レストランを出している国もあり、有料で食べることができた。食事についても問題は発生した。たとえば、初日の夜、スイス代表団は注文していた食材を17時に受け取る予定だったが、届いたのは3時間後の20時。だが、配達の遅れはすぐに改善された。全体的に食事の量は少なめだったという。食事に関して、ロビン君は大きな不満はなかった。
トイレの不潔さも報道で指摘されていた。衛生面が改善される前にロビン君が撮ったトイレ内部の写真を見せてもらった。床が砂だらけの状態だったが、劣悪な状態には見えなかった。筆者の友人の近所に住む女子もスイス代表団にいて、その母親によると、ピカピカのトイレではないけれど使うのも嫌だというほどひどくなかったと娘(その女子)は言っていたそうだ。
野外のトイレなのだから、多少の我慢は必要と言ったら、言い過ぎだろうか。また、安全や健康が最優先とはいえ、スカウトの目的はパラダイスのような環境でキャンプをすることではないのだから、報道で強調するのはどうなのかと感じた。
他国のメンバーと積極的に交流
ロビン君がキャンプ会場で他国のメンバーと交換したワッペンなど。参加者は、自分の好きな国のテントへ行き交流を図ることができた。ロビン君は、日本のメンバーとジャケット、Tシャツ、リュックサックを交換。ジャケットと交換してもらった法被は、特に気に入っているという(筆者撮影)
会場では他国のメンバーと話したり、ネッカチーフやワッペンなどを交換することが奨励されていた。ロビン君もヨーロッパ諸国、アフリカ諸国(ロビン君はフランス語も話すので、モロッコなどのメンバーとフランス語で会話した)、オーストラリア、アメリカのメンバーと連日会って話した。アジア地域は、開催国の韓国、香港、ベトナムに加え、日本のメンバーにも会った。
大会終了後に連絡しようと思うほどには仲良くならなかったが、よい経験だったという。スイス代表団内で知り合ったメンバーとは、大会後も親交を深めるつもりだという。ロビン君は、ジャンボリーのプログラムに含まれていた、寺や美術館、空中アスレチック公園などの訪問も楽しんだ。
「今回のジャンボリーは問題点もあったけれど、スイスでのキャンプとは全く違う経験ができて、とても楽しかったです。これからも、スイスやほかの国でスカウトに参加します」(ロビン君)
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