「巨象」インドのヒンドゥーな実像...3週間の滞在で見た「真の顔」
ニューズウィーク日本版 / 2023年9月19日 16時10分
インドは長年、国連安保理の常任理事国入りを求めてきたが、国連の機構改革は不可能に近い。世界の大国は今後、世界の諸問題に対処する上で国連に代わる別な枠組みを構築していくだろう。ロシアによるウクライナ侵攻を受けてG7(主要7カ国)の戦略的重要性が増しているなか、遠からずインドがG7に加わり、新たなG8が誕生する。私はそう予想している。
3週間の滞在で、ヒマラヤの壮大な山並みを拝む機会は一度もなかった。その代わり別のインドを見た。今や世界第3位の経済大国にならんとし、月面着陸に成功した4番目の国となったことを誇り、国際舞台で自信たっぷりの姿勢で重要な役割を果たそうとし、グローバルサウスに影響力を持ちつつ西側陣営に接近して中国を牽制し、植民地時代と社会主義時代の硬直した官僚制の残渣を、そして西洋に対する歴史的な敵意を捨て去ろうと努めるインドの姿だ。
BJPはインドを、1000年にわたる外国資本と3世代にわたる社会主義的同族支配の悪しき遺産から解き放ちたいらしい。その過程で非ヒンドゥー系住民を疎外し、多数派による不寛容な支配と独裁政治に陥るようでは困るが。
グレン・カール(本誌コラムニスト、元CIA工作員)
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