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「エコテロリスト」とは誰か──過激化する環境活動家とその取り締まりの限界

ニューズウィーク日本版 / 2023年9月29日 14時5分

欧米で外国人や有色人種を標的とする極右テロが急増したのは2000年代末頃からだが、これは2008年のリーマンショックでグローバルな金融・経済に大きな問題があることが判明したにもかかわらず、各国が基本的に既定路線を維持し、それ以前から格差などに直面し、反グローバル化を訴えていたグループが黙殺された時期に符合する。

この視点からみれば、チェレキ教授の指摘は相応の説得力がある。

(筆者自身を含めて)ほとんどの人は自分の生活を優先しがちだ。地球温暖化が重大な問題だと思っていても、そのために道路封鎖をする団体を積極的に支持する人は多くないだろう。

さらに、経済状況やエネルギー事情を考えれば、現状を上回るペースで地球温暖化対策を進めることは不可能に近い。

つまり、ラスト・ジェネレーションなどの社会的認知が高まる見込みも、その要求が実現する見込みも、限りなく乏しい。

こうした状況のもと、便利な「テロリスト」の語だけが定着すれば、環境過激派の疎外感が強まり、ますます先鋭化させかねない。それは本物のテロリストを引き寄せる転機にもなり得るのである。

※当記事はYahoo!ニュース 個人からの転載です。

※筆者の記事はこちら。

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