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死に絶える中東和平...ハマスとイスラエルの衝突の先にある「最悪のシナリオ」

ニューズウィーク日本版 / 2023年10月18日 11時50分

良い戦争はないと信じたいし、危険な考えなのは承知の上で、パレスチナの今の状況を見ると、圧倒的な力で抑えつけようとしているイスラエルに対して「力ずくで平和を勝ち取るしかない」という発想が出てきても不思議ではない。追い詰められた人間の存在こそ、暴力やテロの一番の原因となる。

パレスチナ人には大義があり、自分たちは追い詰められていると信じている。イスラエルにもまた大義があり、同じように追い詰められていると信じている。アメリカや欧米諸国によるイスラエルへの絶大な支援はイスラエルの大義を正当化し、パレスチナの民族自決権とその大義を否定するものだ。どちらもその大義によって相手への憎悪が増し、無差別に傷付ける──どうかこれ以上、パレスチナ人を絶望の淵へ追いやるのをやめてほしい。

【執筆者】アルモーメン・アブドーラ
エジプト・カイロ生まれ。東海大学国際学部教授。日本研究家。2001年、学習院大学文学部日本語日本文学科卒業。同大学大学院人文科学研究科で、日本語とアラビア語の対照言語学を研究、日本語日本文学博士号を取得。02~03年に「NHK アラビア語ラジオ講座」にアシスタント講師として、03~08年に「NHKテレビでアラビア語」に講師としてレギュラー出演していた。現在はNHK・BS放送アルジャジーラニュースの放送通訳のほか、天皇・皇后両陛下やアラブ諸国首脳、パレスチナ自治政府アッバス議長などの通訳を務める。元サウジアラビア王国大使館文化部スーパーバイザー。近著に「地図が読めないアラブ人、道を聞けない日本人」 (小学館)、「日本語とアラビア語の慣用的表現の対照研究: 比喩的思考と意味理解を中心に」(国書刊行会」などがある。

パレスチナ目線で考える、あり得ない大規模地上戦



アルモーメン・アブドーラ(東海大学国際学部教授)


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