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ポーランドのエネルギー革命、原発への巨大投資をもたらす過去の幻影

ニューズウィーク日本版 / 2023年10月27日 14時27分

米コロンビア大学グローバルエネルギー政策センターのマット・ボーウェン上級研究員は「過去に一つも建設されていないので、SMR技術はまだ実証されていない」と独立系メディア「エナジー・モニター」に語った。「SMRの建設が(ボーグル原発の)AP1000建設と同様の事態を招くなら、あまり多くは建設されない可能性が高い」

ポーランドをはじめとする中・東欧のエネルギー関連組織・企業は極めて保守的で、多くが共産主義時代の考え方を引きずっている。ヨーロッパ各地に多くの研究や成功例があるのに、100%再生可能エネルギーや次世代送電網、蓄電容量、水素や需要を制御する需要応答戦略に基づくエネルギーシステムの運用が可能だと理解できていない。

ポーランドに4社しかない国営電力会社が石炭に多額の投資を行っていることも、状況改善の助けになっていない。頼りにしてきた石炭の存在が脅かされれば、これらの企業の利益は減る。

だからこそ彼らは、原発を夢見る人々の背中を押している。夢に終わることを知っているからだろう。

From Foreign Policy Magazine

ポール・ホッケノス(ジャーナリスト)


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