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「私が死んでいると思ったらしい」...壮絶な拷問を生き抜いた「ロシア軍捕虜」がウクライナ政府に早急に求めるものとは?

ニューズウィーク日本版 / 2023年11月1日 16時5分

だが仲間たちとの揺るぎない支え合いと、最後には必ず勝つという強固な信念のおかげで、絶望に屈することなく生き延びることができた。

この時点で、私の肉体はまだ深刻な状態にあった。ほとんど何も見えず、手も全く動かなかった。この状態なら、自分は真っ先に捕虜交換の対象になるだろうと信じていた。ところが、私は何カ月も収容されたままだった。

痛みは消え去らない

ロシア軍が私をこれほど長い間拘束した理由は、全く分からない。おそらく単に私を長期間苦しめて、普通の充実した生活に戻れないようにしたかったのだろう。

私が捕虜交換の対象になり、家に帰ることができたのは今年7月6日のことだ。

■【動画】14カ月の拘束から解放された直後のオレクサンドル・ディデュール を見る

解放感と圧倒的な幸福感に包まれ、全てが終わったのだと実感した。自由になって最初にしたのは、家族に連絡することだった。

日々の暮らしにはすぐに慣れた。あんなに長く家を離れていたのが嘘のようだ。

しかし祖国ウクライナのことを思えば、やはり心が痛む。私の故郷であるヘルソン州オレシキは今もロシアの占領下にあり、そこには今も私の愛する人たちが暮らしているのだから。

それでも私は、ようやく息子と会うことができた。私がマリウポリを死守している間に生まれた子だ。

いま願うことは、充実した人生を取り戻し、この戦争の生き証人として、みんなを鼓舞し、支援することだ。この世に生ある限り、不可能なことは何もない。心から望み、固い決意で追い求めれば何でもできる。

NATO諸国がウクライナの勇敢な戦士たちに支援を継続し、ウクライナの勝利への道を切り開き、ロシアの侵略を一刻も早く止めてくれることを切に願う。

ウクライナ政府には、戦争で被害を受けた一般市民と兵士たちを支援する追加的なプログラムを一刻も早く立ち上げてほしい。

今は試練の時だ。人々が見捨てられたと感じたり、孤立感を味わうことのないようにすることが絶対に不可欠だ。一人でもそんな思いを抱く人がいてはいけない。

14カ月の拘束から解放された直後のオレクサンドル・ディデュール

Hi, I'm in Ukraine, mom Ukrainian defender Oleksandr Didur calls his dearest person after being released from almost 14 months of #Russian captivity.Oleksandr suffered multiple injuries, including the loss of his left eye, three fingers on his right hand, and teeth pic.twitter.com/o1oMmLR4JK— UkraineWorld (@ukraine_world) July 9, 2023

家族と再会したオレクサンドル・ディデュール

A resident of the city of Oleshki, Oleksandr Didur, who was returned home as part of the exchange of prisoners of war, shared footage of a touching photo session with his familyOleksandr Didur, sergeant of the 36th separate brigade of the Marines, defender of Mariupol.He was... pic.twitter.com/1XlZ6LdZ6J— Vladyslav (@Vlad7San22) September 9, 2023

オレクサンドル・ディデュール(元ウクライナ軍兵士)


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