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デジタル紛争の新たなステージ:イスラエルとハマスの情報戦が示すサイバー戦の進化

ニューズウィーク日本版 / 2023年11月7日 14時11分

ウクライナ侵攻がそうだったように、今回の紛争でもサイバー攻撃が世界に拡散する兆しを見せている。すでに30のグループがSNS上で今回の紛争について発言しており、サイバー攻撃の矛先がどちらを支持した国にも広がる可能性を見せている。リアルの世界での世界大戦は第二次世界大戦以降起きていないが、サイバー空間では国際紛争のどちらの当事国を支持したかによって世界を二分した攻撃が繰り広げられるようになってきている。烈度は別として範囲では一瞬で世界規模にエスカレーションする。

・偽情報が氾濫する

画像や動画を中心とした偽情報がSNSで氾濫し、大手メディアや政治家もそれを拡散することがある。

・ロシア、中国、イランが片方を支持し、SNSなどを通じて拡散する

ロシア、中国、イランが親パレスチナ、反イスラエルおよび今回の件にからめてのアメリカ批判の発言を政府関係アカウントや国営メディアなどを通じて拡散していたことが、X、Telegram、YouTube、フェイスブック、Instagramの投稿をモニターしているAlliance for Securing Democracy(ASD)のHamiltonダッシュボードで確認されている。

ロシア、中国、イランの3国は国際的に注目を浴びることが起きると、それを利用して反アメリカなどの発言に結びつけることが多い。時には自国の正当性を主張することに利用する。

・どちらかの当事国に対して支持の表明あるいは逆に批判や制裁を行った国に対してサイバー攻撃が行われ、全世界規模に広がる

サイバー攻撃は当事国だけでなく、関係国あるいはハクティビストなどの非国家アクターが行う。ウクライナ侵攻においても、ロシアへに制裁に加わった国などにサイバー攻撃が行われた。今回も同様のことが起きる可能性が高い。

サイバー攻撃は政府が直接手をくだすとは限らず、プロキシを利用したり、ハクティビストが実行したりすることがある。そして、どこからが政府支援によるものかは判別が難しい。

・陰謀論者や白人至上主義者、差別主義者などが参加する

今回の紛争が始まると、トランプ前大統領はハマスが南の国境を越えてアメリカに入ってきたと言い出し、バイデンとオバマのせいだという主張を始めた。

イスラエル政府は、ハマスの攻撃を事前に知っていたという陰謀論が、#BibiKnewというタグで広まっている。この陰謀論を広めていると考えられているチャーリー・カーク(本人は否定している)は大学に特化した共和党の全国的なグループを率いている。

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