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NYタイムズスクエアはなぜ歩行者天国に変わったか...注目のまちづくり手法「タクティカル・アーバニズム」

ニューズウィーク日本版 / 2023年12月15日 18時15分

●The result, in some cases, is that normally law-abiding citizens take action without permission and ask for forgiveness later. It can be a powerful method for creating change.
(その結果、普段は法律を順守する市民が許可なく行動を起こし、後で許しを求めることがある。そのような強硬手段に出なければ、変化を起こせないのだ)

――「ゲリラ的横断歩道」はタクティカル・アーバニズムの代表例だ。道路工事の中断で横断歩道が消えたのに、行政は対応してくれない。納得できない1人の市民がスプレー塗料で横断歩道を描いた。警察はこの器物損壊を黙認。運輸省は起訴を考えたが、市議会議員は市民の行為を称賛。結局、不起訴となり、市は横断歩道を完成させた。

●Rather than breaking rules and "asking for forgiveness later"--a common practice in Tactical Urbanism--Rebar used another common strategy: They exploited a loophole in the system.
(規則を破って「後で許しを請う」のは、タクティカル・アーバニズムの常套手段だが、リバーは、「制度の抜け穴を利用する」という別のよくある戦略を用いた)

――「パーキングデー」の例では、デザイン事務所リバーがコインを入れてメーター制路上駐車スペースを借り、ベンチ、人工芝マット、木を置いてミニパークをつくった。メーターが切れると後片付けをして立ち去った。正当に料金を支払ってその場所を借りているので違法性はないというわけだ。

タクティカル・アーバニズムは、車に奪われてしまった街路を取り戻すための市民の挑戦だ。<まちは人が主役なのだ>という一文。著者たちの思いが凝縮されている。

『タクティカル・アーバニズム・ガイド 市民が考える都市デザインの戦術』
 マイク・ライドン、アンソニー・ガルシア 著
 大野千鶴 訳
 泉山塁威+ソトノバ 監修
 晶文社

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トランネット
出版翻訳専門の翻訳会社。2000年設立。年間150~200タイトルの書籍を翻訳する。多くの国内出版社の協力のもと、翻訳者に広く出版翻訳のチャンスを提供するための出版翻訳オーディションを開催。出版社・編集者には、海外出版社・エージェントとのネットワークを活かした翻訳出版企画、および実力ある翻訳者を紹介する。近年は日本の書籍を海外で出版するためのサポートサービスにも力を入れている。
https://www.trannet.co.jp/


大野千鶴 ※編集・企画:トランネット


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