「人の臓器を揚げて食らう」人肉食受刑者らによる最凶部隊「ストームZ」10万人を送り出すプーチンと「生還後の悲惨」
ニューズウィーク日本版 / 2023年12月19日 14時0分
政権維持のためならプーチンは殺人犯にも恩赦を与える SASHA MORDOVETS/GETTY IMAGES
受刑者を軍隊に編入し始めたのは、ロシア軍が深刻な兵員不足に陥ったとされる時期だ。都会の若者を大量に動員すれば政府への風当たりが強まりかねないので、大統領による恩赦と破格の報奨金を餌に受刑者を勧誘することで兵員の補強を図った。
しかし、そうやって集めた新兵の中には殺人犯やレイプ犯もいたし、人肉を食らった者もいた。悪魔崇拝の「儀式」で10代の若者4人を殺害した罪で服役中の男もいた。いずれも無事に兵役を終えれば社会復帰を許される。
21年に開設されたロシアの調査サイト「アゲーンツトバ」によれば、世間で注目を集めた殺人犯のうち少なくとも17人が22年と23年に恩赦を受けて軍隊に入り、ウクライナでの戦闘に参加している。
同サイトによれば、なかにはロシアに戻ってから再び犯罪に手を染めた者もいる。
悪魔崇拝のカルト団体のメンバーであることを認め、「儀式」で10代の若者4人を殺害した罪で懲役20年を言い渡されたニコライ・オゴロビャクも、プーチンによる恩赦を受けた1人だ。
オゴロビャクは10年7月、殺人、強盗、死体損壊の罪で有罪となった。ロシアのメディア「76.ru.」が引用した法廷記録によると、オゴロビャクはアパートの自室で悪魔崇拝の仲間と共に、被害者の臓器を揚げて食べたという。
オゴロビャクの父親が同メディアに語ったところによれば、オゴロビャクはストームZの隊員として6カ月の兵役を務め上げ、23年11月2日にウクライナからロシアに生還した。現在は母親と暮らしているという。
少なくとも4人を殺害し、このうち1人の肉を食べたとされるデニス・ゴーリンも、ウクライナでの戦闘参加を条件に恩赦を受けた。
極東サハリン州出身のゴーリンは、殺人罪で3度も有罪判決を受けている。最初に有罪となったのは03年。7年後に仮釈放されたが、その後に拘置所で同房だった男の親族を刺殺し、刑務所に戻っていた。
捜査当局によると、ゴーリンは被害者の脚を切断したことを認めている。それを洗って冷蔵庫に保管し、後に食べたとされる。
プーチンが恩赦を与えた犯罪者には、22年に23歳のタチアナ・レクティナをレイプし、殺害した罪で懲役20年の刑に処されたアルテム・ブチンもいる。この男は8月にウクライナの前線に送られたが、11月に故郷に帰還している。
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